BB Cafe


2014年の春、ウェブから飛び出しリアルでカジュアルな交流の場となる「BB Cafe」をオープンしました。BB Cafeでは新しいアイデアや企画が生まれる空間を創造するため、ブロガーをお呼びして参加者とのクロストークやワークショップなどを企画・運営しております。

BB Cafeの「共有すること」という発想を広げ、BBコミュニティ文化の創造・実践に相応しい空間作りを今後も展開していきます。





BB Cafe 第6回
「製本するワークショップ」

プレゼンター / 文 / 写真・Go Takayama


製本って紙を折るところから人の手で始めるんです。

折った紙に目打ちを使い穴を開け、糸でかがり、製本用ボンドで花布(なはぎれ)や栞を接着させ、寒冷紗、見返し用の紙、板紙、製本クロスと接着を重ね仕上げていく。

手作業で作る本には不思議な温かさと愛着がわき、二つと無い自分だけの一冊が生まれます。



製本することを最近勉強し始めたばかりの私が(東京神保町にある美篶堂にて学ぶ)、自身の経験と製本する面白さを共有したく、北京でワークショプを行いました。



私自身の経験が浅いので、教えるというよりも勉強したことをシェアーするという提案で参加者からは材料費だけを頂き、紙を折るところから始めました。折った紙を束ね、綴じ糸を蜜蝋に数回通し本文をかがっていきます。



今回はみな同じ製本用クロスを利用したのですが、手ぬぐいや生地などを利用して製本することもできます(上記集合写真の右、持参された生地で製本)。



口数少なめで集中すること約3時間ほどで、各々一冊の製本をつくりあげました。





BB Cafe 第5回
「未来は知ることから」

プレゼンター / 写真・佐渡多真子 | 文 ・三宅玲子

写真家・佐渡多真子さんがアメリカの通信社用に撮影した「サソリ、カイコ、セミ、バッタ料理」。背景の人物の顔と比較して、サソリ、カイコ、セミ、バッタがなるべく大きくグロテスクに見えるよう強調する「意図」。


天壇公園で人が語り合いくつろぐ風景。中国人社会の有機的な人のつながりに惹かれて佐渡さんが撮影。

写真(以下)・松野豊


「ニュース」には、必ず発信者の意図が影響しているという当たり前の事実。それを20年近い中国撮影の経験をもとに約100枚の写真を示しながら解きほぐしてくれたのが、写真家・佐渡多真子さんによる第5回BBCafeです。


佐渡多真子さんというひとりの写真家が撮影した写真でも、通信社などの依頼で撮影した写真は時に中国をネガティブに伝えようとのメディアの「意図」が働き、その結果、受け手の中国に対する印象はマイナスになり、一方、作品として撮ったロバやパンダの写真は、見る人に中国を好きになってもらいたいという佐渡さんの思いが反映され、可愛らしく芸術的な「作品」に仕上がります。


では、一体「事実」とは何でしょう。私たちはどのように「事実」を見つけ出すことができるのでしょう。何が「事実」を見えにくくしているのでしょう。



その場に集まった日中30人がテレビ、雑誌、ラジオに関わる報道の前線の方々も交えてセッションしました。


こと「中国」に関わるものになると、とたんによくも悪くも妄想たくましくなる。
これは私たち多くの日本人の偽らざる感情です。古くは毒餃子事件、段ポール肉まん事件。ここ数年は領土問題。さまざまな「ニュース」を通してその妄想は広がってきました。この春の「爆買い」にしても、テレビのワイドショーを中心に小馬鹿にした論調は見られました。


中国関連というと同じようなパターンのニュースが続き、さらに、ここ2年の大気汚染の悪化で、中国への関心はすっかり薄れているようです。


第5回BBCafeの様子



「イメージ」と「事実」の間には、ニュースにならない生活の歴史と背景があります。
それらニュースの裏側にある生活の背景を「知る」ことは単純におもしろいですし、「知る」ことから新しい関係が生まれます。新しい関係は一緒に何かを作り出す未来にもつながります。

大陸でニュースにならないリアリティを知る日本人には、「イメージ」と「事実」の間をつなぐ媒介の役割ができるのでは?そんな責任と未来への課題を確認し合うことにもなったセッションでした。


参加した方々の中から日中メディアのふたりの方の感想を紹介します。

CRI国際放送キャスター 王小燕さん
「『中国の伝え方』とその『狙い』の関係」はとても良いテーマ設定です。佐渡さんのお話と写真の数々、とても聞き応えがあり、見ごたえがありました。伝える仕事に携わりながらも、どう伝えればよいかだけでなく、伝わったかどうか、どのような形で伝わったかを、常に客観的に考え続けている皆さんの姿勢に、心から敬意を表します」


フジテレビ北京支局東アジア部長 鴨下ひろみさん

「メディアとは直接関係のない皆さん一人一人が、自らの知る中国を如何に周囲に発信していくかを真剣に考えていることを知り、大きな感銘と刺激を受けました。紋切り型の中国報道とは違う中国の実像を伝えるにはどうすればいいのか、メディア側の人間として私も切実な思いで模索しています。」





BB Cafe 第4回
「エリートバーリンホーのリアル」

プレゼンター / 文・大内昭典 | 写真・松野豊




2015年3月7日、BB Cafe・シリーズ4は北京のクリエイターが集うCo-Working Place
「NIWOTATA FUTURE HUB」でBB連載「エリートバーリンホーのリアル」をテーマに開催。


ゲストを含めたクロストークを展開

日本人留学生(当時)・大内昭典のインタビューに協力した長江商学院MBAの中国人クラスメート3人が登壇てくれたトークセッションには、約20人の日本人が集まりました。長沙のごくふつうの家庭出身から北京のエリート家庭の子女まで、異なるバックグラウンドの3人は、仕事、家庭はもちろん、恋愛観までタブー無しで語り尽くしてくれました。全編中国語のセッションは、ラフな質疑が飛び交いスピーカーと参加者とのクロストークが実現しました。



中国社会を熟知する方々が関心を持って参加してくださった今回。
なかでも、ライターとして活躍されるおふたりからお寄せ頂いた感想をご紹介します。


「中国の若きエリートの知力、人間力を肌で感じられ非常に刺激になった企画でした。1人だけでなく3人が登場し、時に異なる見解を比較しながら伺えたのもとても良かったです。」

(北京在住ライター&エディター・原口純子さん)

「彼らの部分は多分日本でも一番情報が足りていないところで、中国の今を知るうえで大切でまた魅力的な部分だと思います。賢くて理性的で頑張っている人と会うのは楽しいことですよね~。」

(北京在住フリーランスライター・斎藤淳子さん)



そして、スピーカーを務めてくれた3人の中国人からの感想です。

「十分高兴有这样一个机会让中日青年可以面对面的友好交流,也很开心认识这么多在北京工作学习生活的日本朋友。」(訳:このような日中の人々が面と向かって交流できる場に参加できたこと、そして、こんなに多くの北京で暮らす日本人と友達になれたことがとても嬉しいです。)
(Desmond:BB連載)

「通过在BB咖啡面对面的交流,建立起人与人之间的联系,使我们能更好地理解彼此,很有意义。」(訳:BB Caféでの対面での交流を通して、人と人との関係が構築でき、お互いのことをより深く理解できたことはとても意義があると思います。)
(Conan:BB連載)

「BB cafe是一个很温暖的集体,来自不同行业和领域的进步人士为这个集体贡献智慧,交流文化,碰撞火花!希望中日人民的友谊隽永留长!」(訳:BB Cafeは温かみを感じる集まりですね。異なる業界や専門を有する人たちが集まり、みなで知恵を出し合い、文化交流したり、時には意見をぶつけ合うことで、何か新しいものが生まれる予感がしました。末永い日中の友好を心より願っています。)
(Julia:BB連載)


大内昭典がMBAを取得した長江商学院のクラスメート(左から)Desmond,Julia,Conan

大好評につき、今後もBB Cafe・MBAシリーズを企画していきます。
これまで4回実施してきましたBB Cafeは引き続き連載テーマを基に、日中の参加者同士のリアルな交流を場を設け、日中の相互理解の向上に取り組んでまいります。