昨年の夏に、前回も触れたWebドラマ「日本屌丝」を公開して人気に火が付きました。その後、日本屌丝の次回作に向けて準備を進めていたのですが、公開が早くても1年後とかになってしまいかなり時間が空いてしまうので、折角できたファンの人達になにか出来ないかと考え、始めたのが「紳士大概一分钟」でした。
それまでも、おもしろ日本語を教える動画シリーズはいくつか作っていたのですが、「紳士大概一分钟」では、尺を約1分(実際は3分程度)と出来る限り短く、そしてテンポよく進むよう構成し、気軽に視聴してもらえるよう、いまの若者のライフスタイルに合わせた番組を目指しました。
曜日ごとに違ったトピックで日本に関する情報を発信しています。よくガイドブックなどに出てくるようなオーソドックスな日本ではなく、イマの日本でリアルに面白いモノ、場所、出来事を取り上げ、それを山下独自の切り口で面白おかしく紹介。そして最後に、その日のトピックに纏わるワンフレーズの日本語を取り上げます。
また動画の配信も、海外のYouTubeの様な圧倒的な動画サイトが中国には存在しないので、より多くの人の目に触れるよう优酷,土豆,bilibili,爱奇艺,腾讯视频,PPTVなどなど、中国の大手動画プラットフォーム約10社にアップしています。
合わせて公式微信も開設し、動画の更新情報や、動画に纏わる小ネタ、また日本語が復習できるコンテンツなども用意し、毎日配信しています。
昨年のクリスマスから始め、様子見をしながら更新を続けていた所、次第に日本に関心のある若者が集まってきて、視聴者数が伸びていきました。週に1回程度チェックしてくれていた人が、毎日番組を見てくれるようになったり、この番組をキッカケに毎日日本の情報に触れるようになった人も沢山でてきました。
最初は1日あたり数万回だった再生回数も、数10万、ヒットする動画だと100万回を超えるものも出てきて、開始5ヶ月ほどで番組の総再生回数がなんと1億回に届きました。
ステレオタイプな日本ではなく、若者が関心のあるユニークな情報を取り上げていること。
山下独自の視点で、日本のリアルで面白い文化を知ることが出来るところ。
そして、最後にその日のトピックにまつわる日本語を学べるところ。
ただ面白いだけでなく、日本の文化に触れられて、(役に立つかどうかは別として)日本語も勉強できるという、一石三鳥だと言うのです。
また視聴者が増えるにつれて、SNSを通してファンからいろいろな問い合わせが来るようになりました。
「今度日本に行くんだけど、何処がオススメ?」
「〜に留学したいんだけど、相談に乗って下さい。」
「〇〇が欲しいんだけど、日本から買ってきて欲しい!」
「日本の女の子は本当に〜なんでしょうか?」
などなどなど・・・(笑)
ファンの反応が本当に興味深いので、次回は実際の番組の中身と、それに対するコメントやユーザー同士のやりとりなども紹介してみたいと思います。
文・写真:鳥本健太
Torimoto Kenta: アートプロデューサー。2005年より上海在住。 アートと社会の接続点を作り価値を生み出せるよう、アーティストのマネージメントや展覧会の企画など上海を中心にアジア各国で活動中。 アートマネージメント会社 Office339 代表。