13億分の1の中国人

2004年、深田志穂さんはNYでフォトジャーナリストとして一歩を踏み出します。NYTimesをはじめさまざまなジャーナル紙で撮り続けてきて、2008年、北京へ。2008年の四川大地震と今年3月の東日本大地震。北京をベースに活動する日本人フォトジャーナリストで、両方の現場を撮った希有な存在です。NYTimesのフォトグラファーとして広い中国を歩く深田さんが出会った13億分の1の中国人のストーリー。



Series : Twentysomething ― 20代の肖像 NO.1



(写真)Feng Xiwen (22歳)


北京の頤和園にて。真冬の夕暮れ、頤和園を訪れると、
凍った湖の上に若い女性が大の字に寝ていた。
四川省成都から来た医大の4年生だった。

 「卒業前の最後の冬休みに友達と北京に遊びにきました。
旅行が大好きで学校の休みのたびに旅にでます。学校を
さぼって両親に内緒で旅にでることもあります。北京に
来たことはありませんでした。観る所もなくてつまらない
ところだと思っていました。

 でも最近『 頤和園(サマーパレス)』という映画のとても
きれいなシーンをみて是非北京を訪れようと思いました。
湖でボートをこぎたかったんですが、湖が凍ってるとは
思いませんでした!友達は寒いのでコーヒーを買いに行って
しまったので、私はひとりで凍った湖に降りてみることに
しました。靴は泥だらけになったけど。そこでただ寝転ん
でみたかったんです。氷が背中に突き刺さりました……」

 その後彼女は、帰りの電車の中で医者になることをやめる
ことに決めたそうだ。「映画産業で働いてみたいんです。
世界を飛び回る仕事がしたいんです」と。

注:中国の冬休みは春節の頃。中国の医大は4年生。
頤和園 (サマーパレス)」とは





Fukada

投稿者

深田志穂

フォトジャーナリスト

東京出身。2009年より北京を拠点に活動。

大学で英文学を専攻後、ニューヨークでファッション、広告関連の企業で働く。

フォトジャーナリストとして活動を始めてからは、NYタイムス、ニューズウィークをはじめ多くのメディアで作品を発表。

マイクロソフト、ナイキ、J&J、などの企業のテレビコマーシャルのための撮影も行う。

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