Slice of Life #8

2016年8月22日 / Slice of Life

連載第8回は、肇庆で出会った中国地方都市の若者の素顔(後半)です。

プレゼンのクライアントからの要請で、中国の出稼ぎ若者労働者が短期間で転職する傾向について話し合いました。前章で紹介した北京師範大学の教授が説明した資料によると、 出稼ぎ若者労働者の問題として、全体(約1億人)の75%は3年以内に転職する統計になっています。クライアントは自動車メーカーのため、工場で養成した技術職の流出を食い止めなくてはという危機感が強く、その解決方法を、若者の理解を深めることに求めました。

続いてクライアントからの問題提起により、企城下町構想や福利厚生の充実がどのくらい現代の中国で生活する若者に魅力的なのか議論されました。短期転職の原因として、キャリアアップという手段や、自分の市場価値を高めるなどの主な理由以外に、「彼らは自分に合う職をさがしている」という意見がYouthologyの参加者側から出ました。特に情報の多様化が目覚ましい90后の若者には、ソーシャルネットワートの横の繋がりを活用した「転職」による「天職」探しが盛んだそうです。

クライアントが示す企業城下町構想や 福利厚生の充実以外に、Youthologyのメンバーは「精神的繋がり」の重要性を伝えていました。この「精神的繋がり」というのは、従業員が雇用者や企業に対して求めるものではなく、従業員同士の繋がりや彼らの会社内でのコミュニティーを指します。働くということに対して、利益追求だけではなく、同僚との仲間意識や共同性が、彼ら従業員一人一人のそこに存在しているという自覚に大きく影響するらしいです。結果、その自覚が長期的な雇用慣行を促進し、またフォックスコン(富士康:台湾に本社をもつ世界最大のEMS企業で、中国本土に工場を持ち、アップル社からは携帯端末であるiPhoneおよびiPadの生産も受託する)で起きたような過酷な労働状況での自殺者の減少にも役に立つのだとYouthologyメンバーは言いました。

私が訪れた肇庆では、ある会社の従業員達がお昼休みを利用して、川辺で裸足になり、同僚達と歌ったり、踊ったりしていました。週に数回、会社で決められている活動の一つだと教えてくれました。白いワイシャツに黒のスラックスを着た彼らは、生き生きした表情で仲間との交流を深めていました。




(写真)お昼休みを利用して、交流を深めるある会社の同僚達






(写真)肇庆市内の大学生寮






(写真)ナイトバザール







(写真)名前:Zhong Minhuaさん、年齢:21歳、職業:大学生

Q: 生活の中で最も手放したくない物は?
A: お金。いろんなとこへ旅行したいから

Q: 一番ほしいものは?
A: 手の凝った手作りプレゼント。プレゼントは、その人の表現の方法を表す。手作りのものを貰うと幸せな気分になれるから。

Q: 最近もっとも気になる事情は?
A: テスト結果と健康