Slice of Life #9

2016年8月22日 / Slice of Life

連載9回は、吉林市で出会った中国地方都市の若者の素顔(前半)です。

吉林市は吉林省に位置する人口441万人の都市です。(百度百科より引用)

私が「China Normal」プロジェクトのため、2010年に吉林省を訪れた際、同省长春から吉林市へ向かう途中に通った未開発の荒野はなぜか印象的でした。この道の先に第三都市吉林市がちゃんと現れるのか不安に感じていました。

长春を出発して数時間後、吉林市内へ到着しました。街は想像以上に整備されていて、ショッピングモールや繁華街が多く見られました。その繁華街の一角に降ろされた私は、既に現地入りしていたChina Youthologyのメンバーと合流し、さっそく取材を始めました。市内の东北电力学院を訪れた際に、私たちは大学生カップルと出会いました。そのカップル曰く、彼らのクラスの3分の1の男女はつき合っていると教えてくれました。中国の地方では、いまだ親同士が縁組みをする風習が根強く残っています。そのなかで、彼らの解答は意外でした。

「結婚するの?」という質問に、「卒業後は就職が先だ」と双方同意を示し、就職後の結婚を考えていると伝えてくれました。
 
吉林市を訪れた翌年に「裸婚時代」というテレビドラマが中国で流行しました。「裸婚」とは、2008年にインターネット上で生まれた新語で、マイホームもマイカーもなく、結婚指輪も挙式もなしで婚姻届を出すことです。

地方経済の発展が男女間の思想を家族中心の風習から個人的自由恋愛に変える大きな要因の一つになっていると思います。しかし、地方経済の発展は一方で広がる経済格差を助長しています。上記に示したような物理的な要求が高い中国人の結婚には、物価上昇に伴う、経済的に過大なプレッシャーを感じている男性が多いという事実も浮き彫りになっています。

ある調査によると「裸婚」に賛同する八割の男性に対して、七割の女性は消極的という事実もあります。中流階級の浮上よりも経済格差が膨らむ一方の中国で、これからさらに新しい形の男女間が生まれてくるのではと思います。




(写真)东北电力学院で出会ったカップル






(写真)吉林市






(写真)早朝の公園風景







(写真)レストランのオープニングのために打ち上げられた花火を車から眺める若者