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第9弾 人情味溢れる筒子楼
2016年8月30日
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中国秀逸ドラマ
老爸的筒子楼
~老爸的筒子楼 (全35集)~
第9弾は“老爸的筒子楼”をご紹介したいと思います。3月5日は有名な“雷锋”の日とされていますが、“雷锋”さながら少々おせっかいで人助けの大好きなお父さん(许亚军演じる雷二亮)が主人公です。“筒子”とは文字通り“つつ”の意味ですが、“つつ”のようなアパートは居間と寝室兼用の一家族に一つだけが個室で、残りの生活は全て共有でした。この自然と生まれる濃い人間関係で70年から80年代にかけて近代化が大きく進んだ時代の物語です。
お人好しの二亮は父親を朝鮮戦争で失くした“英雄の子”としても一目置かれた存在でした。ある日勤務先の国営工場でトラックの運転中に飛び出してきた刘威葳演じる许诺との偶然の出会いを果たします。運よく一命を取り留めた许诺でしたが、事情があって自ら飛び込んだものでした。後に二人は縁あって結婚し“筒子楼”での共同生活が始まります。
さて“筒子楼”には長年二亮を親代わりとして育ててくれた敬愛する艾师傅も住んでいました。身体の弱かった艾师傅自身も妻を早くに失くして幼い兄妹を育てていましたが、持病が悪化し亡くなってしまいます。残された兄妹をどうするか“筒子楼”の住民で検討し紆余曲折あって、結局二亮と许诺夫婦が引取り、経済的に苦しくも一家4人で楽しく充実した日々を送ります。一方当時まだ続いていた文革で、二亮の国営工場でも保衛課が反革命的な動きに常に目を光らせていました。ある日一人息子を連れて“筒子楼”に越して来た音楽教師に保衛課長が反革命の疑いをかけますが、二亮は追い込まれた音楽教師親子を勇気ある行動で助け出します。
80年代に入ると改革開放で急速な発展を遂げますが、市場経済の動きに遅れをとった二亮の国営工場は経営的に苦しくなっていきます。そこで救世主となるのが深圳で学んでいた二亮の息子(孙佺演じる艾军)とアメリカに渡っていた音楽教師の息子2人です。ところが2人が進める改革では育て親である“筒子楼”の工員らや二亮を解雇しなければなりません。解雇対象者の発表で騒然となりますが、ここでも二亮は自らの立場を乗り越えて息子たちの改革を支える行動をとります。
現在の北京では殆ど見られなくなった“筒子楼”を舞台として、家族、職場そして“筒子楼”で人と人との関係がとても濃かった時代の感動の物語です。豊かになった生活の象徴としての日本の家電製品も登場しますので、皆さん期待して見て下さい。
以上
関連記事:
第10弾 人々を幸せにする国家とは
第8弾 母親の家族愛
第7弾 “中国の病院を舞台にして”
第6弾 40代夫婦の苦悩
第5弾 北京に夢を求めてやってきた若者の姿
第4弾 残留孤児と中国人家族の物語
第3弾 東北の鋼鉄会社を舞台にした歴史物語
第2弾 愛情あふれる夫婦と家族の物語
第1弾 激動の歴史を生きた家族の物語
林奨
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