連載第6回は、唐山で出会った中国地方都市の若者の素顔(後半)です。
取材前の疑問として、唐山の若者は24時間をどのように過ごしているのだろうという問いがありました。取材した若者は大学生や高校生が多数だったので、1日のうちで「勉強」に最も時間を費やすと答える若者が多い結果となりました。在学中にバイトする学生が稀である事実には驚きました。一人っ子の彼らが、親から得る支援とプレッシャーを肩に日々を過ごしていることがわかりました。
こんな質問もしてみました。「貴方の夢や目標はなんですか?」。返答の9割が「 幸せに暮らすこと」でした。しかし堀りさげて質問すると、明確な目標や夢がない若者がほとんどでした。唐山のような第三級都市の発展は著しいものがあり、沢山の若者が都市の発展と未来に期待を寄せているそうです。しかし、発展に伴う自分の将来に関しては不安や疑問が募るばかりで、何かを探し求めるよりも、今の現状を維持できればという考え方が強いようでした。インタビューを行った高校の先生は、指導する若者に関して次のように言っていました。
「今の若者の生活において物質的欲求はすでに満たされている。欲しいものは与えられてきた」一人っ子政策の一年生(1980年生まれ)は、今年で満28歳です。彼らが想像する「幸せな暮らし」が、今後実現できる中国であればと願います。