コトバの魔法

コトバは魔法だ。
初めて耳にしたときは,まるで魔法の呪文のように何を言っているやらさっぱりわからない中国語。しかし,この魔法の呪文を解き明かし,使いこなすことができれば
「你好」で仲良し朋友,「謝謝」で感謝の気持ちを伝えられる。
コトバを繋いで心を繋ぐ,だれにでもできる「コトバの魔法」。

『コトバの魔法』では、天野清美さんが北京で暮らす中で出会った「コトバの魔法」とそれにまつわる中国の人たちをパステル画とともにお伝えします!



01「阿姨!」〜北京でできた最初のおともだち〜




若い頃は『おねえさん』と呼ばれるのが当たり前だったのに、いつの間にかその呼び名が『おばさん』へと変わっていく。その境目ぐらいの歳に中国へやってきた。

日本なら子どもの方で気を使って『おねえさん』と呼んでくれていた。まだまだ『おばさん』とは呼ばせないぞ!と思っていたが、ここは中国、そんな日本の常識や気遣いとは無縁の場所だ。近所の子どもたちにとって、すでに子どもがいる私は立派な『おばさん』だった。

子どもの保育園の友だち、近所の子ども、みんなワラワラ寄って来て私に向かって呼びかける。

「阿姨好〜!( ā yí hǎo / おばさん、こんにちは〜)」

『阿姨( ā yí ):アーイー 』は中国語で年上の女性を呼ぶ言葉だ。ある子は遠くから大きな声で、ある子は恥ずかしそうに俯きながら。中国の子どもたちが呼びかけてくれる『阿姨:アーイー』の響きの可愛らしいこと!訳せば『おばさん』なのだけれども、それとはほど遠い軽やかな印象。声調(音の上げ下げ)をつけて小さな子どもが言うのは更に可愛らしさ倍増。

なぜか日本語の『おばさん』よりも、親しみが込められているような気さえしてしまう。

中国語が完璧に喋れない、聞き取れない私にとって、中国に来てできた最初の友だちは「阿姨好〜!(おばさん、こんにちは〜)」と声をかけてくれる子どもたちだった。

挨拶してくれた子どもたちに「你好!( nǐ hǎo / こんにちは)」と返事をしたものの、続く会話が出てこない。代わりに、中国でも放送している日本のアニメのキャラクターを紙いっぱいに描いてあげた。

「阿姨给你画画儿!( ā yí gěi nǐ huà huà ér / おばさんが絵を描いてあげる!)」

もう『おばさん』でも構わない。いや、『おばさん』はまだ抵抗があるかな。やはり中国語の『阿姨:アーイー』がいい。

北京オリンピックもまだ先の出来事、という気がした2006年春、子どもたちの笑顔と新緑に囲まれながら、私の北京生活はスタートした。



阿姨好 ( ā yí hǎo/ おばさん、こんにちは )
阿姨 ( ā yí / おばさん・年上の女性を呼ぶ言葉)
你好!( nǐ hǎo/ こんにちは)
阿姨给你画画儿 ( ā yí gěi nǐ huà huà ér / おばさんが絵を描いてあげる)










papa

投稿者

天野清美

1976年生まれ。静岡県出身

大学卒業後、SBS静岡放送に勤務。テレビ制作部にて番組制作を担当後、
CG制作室にてテロップやフリップ、番組OP用クレイアニメなどを制作。

2006年から北京で 北京PaoPao制作スタジオを主宰し、
映像制作やデザインを中心にものづくりを行う。

『PANDA★TV』『BAOBAO中国』など中国の情報を日本へ発信する番組制作のほか、『Soleいいね!( 北京裏町マップ)』(SBS-TV) リポート、 『ラビちゃん&ベッキーの北京発!中国語コレクション』『PaoPaoイラスト&フォトリポート』をTOKOTOKO誌面に連載。メディアの媒体を問わず、中国の魅力を様々な形で伝え続けている。

2014年からは拠点を東京に移し、『こどもとものづくり』をテーマにしたコラボレーションサイト『コラボン・ラボン』を企画運営。

 ブログ『北京ものづくり三昧』

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