無錫編 その3 ー 無錫で幼稚園をさがす

お友だちはできたけど…



(写真)中国ではバイリンガル幼稚園が流行している

私たちの無錫生活。昼間のうーたんと二人きりの生活も、滞在2か月ぐらい経つと終了。お友だちと知り合う機会も増え、お互いのお家を行き来するようになりました。やはり子どもは子ども同士で遊ぶのが一番!うーたんもイキイキし始めました。もちろん私も…

 無錫に引越ししたのは、うーたんがまだ2歳になっておらず、日本でいうと3年保育の幼稚園の入園まであと1年余りという時期。無錫には日本語ができる先生のいる幼稚園はなく、必然的に中国語か英語となるので、母語の日本語が固まるといわれる満3歳ぐらいに幼稚園に入れようかなと、その頃は漠然と考えていました。

 お友だちができてうーたんにも楽しい時間が増えた!と喜んだのもつかの間、 当たり前のことなんですが、ご家庭の予定もそれぞれで毎日毎日お友達と一緒に遊べるわけではありません。英会話教室にでも通わせてみようかと調べていたところ、こちらの幼稚園は満2歳から通わせることができると聞き、渡りに船、「母語が固まる満3歳まで日本語環境」という立派な教育方針は軽く吹っ飛び(笑)、幼稚園入園を考え始めるようになりました。

幼稚園えらび

 現地の知人たちのオススメ幼稚園は、家の近くにある実験幼稚園。しかしこの幼稚園は基本的に外国籍の子女を受け入れません。そこで市中心部がある我が家から10キロほど離れた、日本人を含む外国人が多く住む無錫新区の幼稚園から選ぶことにしました。

 その新区にある外国籍の子女が通える幼稚園といえば、インターナショナル系か現地ローカル系の幼稚園の二択でした。せっかく中国にいるんだから現地の言葉に触れてほしいという私たち夫婦の思いもあり、たまたま近所におられたご家族のお嬢さんが通園されていた、台湾人オーナーのローカル幼稚園に入園させることにしました。

 とりあえず学校見学です。渉外担当の方が出てきて、まず一言。「あなたの子どもは何歳?」
「2歳ならここのクラス」と教室に案内され、ほんの数分間教室の様子を拝見。そこで彼女はおもむろに
「どんな感じ?入園する?しない?」
学校からの説明、アピールポイントは何もなし。
え?これだけ…?
これでは不安だったので、こちらからも質問してみる。
「おむつまだとれてないけど…」
「大丈夫、クラスに一人アイさん(子どもの身の回りの世話をしてくれる人)いるから」
 ちなみに学校のパンフレット、入学書類さえもいただけませんでした。この対応にちょっと面食らっている間もうーたんが落ち着いて私の側に立っているわけはなく、それに大した質問も思いつかなかったので、滞在時間20分ほどで帰途につきました。

今から考えると無錫に来る前は、あれだけ不安がっていたくせに、幼稚園選びに関しては、お恥ずかしい話、 学校見学がこんな内容だったにもかかわらず、思い返せばびっくりするぐらい簡単に決めてしまいました。決め手は送迎バスもあるし、ご近所の方も通われているし、という2点だけです。

うーたんの通う幼稚園

 中国では子どもに立身出世を強く願う親が多く、小さい頃から教育に敏感で熱心です。特に英語を取り入れたバイリンガルをうたった幼稚園は人気があるようです。うーたんの通う幼稚園もバイリンガルを校名にいれています。そして学費はだいたい日本の幼稚園と同じくらいの金額。中国の平均年収から考えるとけっして安くはないのですが、ウェイティングされているお子さんもいるそうです。

 うちの幼稚園は基本的に園庭で自由に遊ぶ時間を時間割に組み込んでいません。正直、小さいころに体力をつけることを考えてやらなくてはなりませんが、どうもこちらの親御さんはそこまで体力面にはこだわっていないようです。空気も悪いですし、そのほうが安心なのかなと思った時期もありましたが、それより、しっかりお勉強をさせたり、しつけ(生活習慣)をきっちりする要望の方が強いようです。

 お世話になり始めて2週間目のある日。初めて教室の前まで直接うーたんを送り届けてみました。
 教室にたどりつくと、うーたんは、泣きながら必死に私にしがみつくのですが、しかし教室の中から現れたアイさんに無理やり抱っこされ入室。まあ、幼稚園通いはじめによく見られる親子の「別れの儀式」でした。
といっても、もう1週間も幼稚園に通っているから、そろそろ新しい環境にも慣れてくるころ。泣くのは私への愛嬌、どうせすぐ泣き止むんだろうなあとこっそり教室をのぞくと、アイさんに抱かれながらうーたんはまだ大泣き。
「お、かわいいやん、うーたん」と思っていると、泣き止まないうーたんの口にすっと「あめちゃん」投入…うーたん、泣き止む…
 これまで、私は飴を与えたことなかったのに…
 言葉も通じないんだし、しょうがないか。どうぞ娘をよろしくお願いします。私はトボトボ教室を後にしました。

 なんだかんだで入園から2年。幼稚園で一日どのようにすごしているのか、いまだに完全には把握できていません(笑)けど、うーたんの成長を見る限り、屈託なく明るい子に成長しています。現在1クラス33人の小皇帝と小皇后たちが在籍していて、2人の先生とアイさんもてんやわんやでお世話に大変そうですが、きちんと面倒をみてくださっています。何より、入園当初は言葉がまったくわからず、今も流暢には話せない子をきちんと預かってくださっているということに心から感謝せずにはいられません



Yukacchi

投稿者について

Yukacchi: 無錫在住の日本人駐在員の妻。家族構成は夫と4歳の娘。 いつの日か必ずやって来るであろう帰国命令に怯えながら(笑)、『日々楽しく』をモットーに『太太』生活を満喫中。現在ハマっているのは、中国茶藝と中国ドラマ。 中国滞在は3度目、通算5年。大阪府出身。