無錫編 その4 ー いつも突然、それが中国



(写真)幼稚園の行事、水族館でハロウィンの仮装


幼稚園の一日

 こちらの幼稚園は満2歳から入園可能なところが多いようです。そして送迎するのはおじいちゃま、おばあちゃまというご家庭も多いようです。近くに頼れる方がいらっしゃらない場合は、平日に終日預かってくれるお泊り保育もあるので、月曜日の朝に子どもとバイバイして、次は金曜の夕方にお迎えということも可能です。

 幼稚園で何をやっているのか、完全に自信をもって言えることはあまりありません…。いろいろ総合して想像した幼稚園での1日のタイムスケジュールは、
9:00が始業時間。朝の体操の後、軽食、授業を3レッスン。
11:00からランチとお昼寝の準備。
12:00~14:00までお昼寝。
14:00~14:20でお着替えタイム。
14:20から、さらに1レッスンとおやつ。
15:50~17:00までがお迎えタイム。
 
 幼稚園とはいっても、1日のスケジュールを見ると、幼稚園と保育園を合わせた、日本でいう幼保園のような感じです。日本と違って中国は共働きが当たり前だからかでしょうか。

 私がまず気になったのが3回もあるお食事タイム。食べ過ぎちゃうん?虫歯になりやすい?とかいろいろ心配していましたが、家に帰ってきたとたんに「おやつ」と要求してむしゃむしゃ食べる様子からして、食べている量は多くないようです。虫歯に関してはわかりませんが(汗)
 
 いろんなことがはっきりわからない幼稚園ですが、献立表だけは幼稚園のサイトに1週間毎にアップされるので、必ず確認できます。アレルギーも入園申請表にあり、対応してくれるようです。

 年間スケジュールは、9月始まりの2学期制を採用。冬の旧正月にあわせて前期が終了、3週間ほどの冬の長期休暇をはさんで2月ぐらいに後期が始まり、だいたい6月下旬あたりに一学年修了となります。うちの幼稚園の夏休みは2か月ありますが、別途サマーキャンプがあり、希望者はこれに通えます。

 この1年のスケジュール表、日本のように新学期に配布されることはありません。冬休みがいつ始まるかもだいたい12月の末あたりにわかればラッキーという感じです。前もって個人的に問い合わせない限り、お休みの正式発表は1週間ぐらい前となります。
 
 スケジュールだけではなく、いろいろなことが直前にしか確定しないので、こっちも先を決められず、なんとなくいつも落ち着かない気分。これがいつも不思議でしかたなかったのですが、こちらの保護者さんたちは基本的に学校の休みにあわせて予定を組むということがないらしく、自己責任でやっているようです。まあ、両親以外にも助けてくれる手があるからかもしれないですね。

必要なのは「臨機応変」な対応

 こちらで生活するのには「臨機応変」が大切です。急にいろいろなことを言われることが多くて、戸惑うことも多いのです。幼稚園もしかり。いろんな連絡が突然やって来ます。
「明日保護者会をします」
こういう場合には現在専業主婦の私ならいつでも対応できるんですが、
「明日、瓶の蓋を形や大きさの違うものを何個か持ってきてください」
「3日後の遠足は仮装フェスティバルをするから変装してきてください」
こういう物理的なものは、いくら専業主婦の私でもなかなかすぐには対応できない…。
 けれど、私は日本人。学校からの指示にはきちんと応えようとして、できない時のいらだちも多く、情けない気持ちになることも。ちょっと話がずれるかもしれませんが、こんなこともありました。

 ある朝のこと。いつもは遅くても8:15には来るお迎えのバスが、待てどくらせどやってこない。たまたまその日は私の体調が悪くて熱もあり、早く来て欲しいのに待ち人は来ず。幼稚園からも連絡がなく、こちらは置いていかれたのかととても不安になりながら待っていました。8:50になってようやくバスが見え、まちくたびれたうーたんも元気にバスに乗り込んで登園しました。バスを見送って、すぐに私は部屋に戻り、倒れこむようにベッドへ。横になってうとうとと眠りについたころ、電話がなりました。
 
 着信は幼稚園から。何ごとかと思えば、
「明日からバスのスケジュールが変わります。8:50ぐらいです」
 我が家から幼稚園までは、バスで少なくとも10分はかかる距離。8:50にお迎えとなると、9:00の始業時間には間に合わない計算に。幼稚園の始業時間に間に合わないバスのタイムスケジュールを組むなんて本当にびっくり。しかも50分ぐらいってなんやねん。
突然の申し出に、珍しく怒りが頂点に。怒り口調で、

「それじゃあ、始業時間に間に合わないから、もう少し早めに迎えにきてよ!!」
「大丈夫。幼稚園は実際には9:20からだし」
「え?いやいや。あなたたちは、9:00が始業時間じゃないの?いつも9:00には幼稚園に登園させろって言ってるじゃない?あなた達のバスが9:00以降に着くようにスケジュールするっておかしくない?もう一回検討してよ」
「うーん。もう決まったことだから、そちらの都合が悪いなら、バス通園をやめて、自分での送迎に切り替えたら?もちろん残りのバス代は精算するし」
「いやいやそういう問題ではなくて…そもそもなんで学期途中で急に時間が変わるの?」
「バスが故障したから」
「今朝はいつもと同じバスやったやん?」
「ちがうちがう。うーたんのバスじゃない」
「それじゃうちのバスと何が関係あるの?」

 根堀り葉掘り問いただしたけど、結局理由はわからないまま幼稚園の申し出のとおり変更することに。しかも変更後は、定時に来ることはなくなり、8:50にバスが来る日もあれば、8:30には来る日もある、というように、いつバス来るのかはっきりしなくなってしまいました…。他の子どもがバスの時刻に遅れても待っているから、時間がずれこんだりするようです。そういうところはほっといて、出発すりゃいいのに…とは思うものの、その律儀さで私も助かったことがあります。けどやっぱり始業時間に間に合わないのが今だに腑に落ちない。それに今から考えると、あの電話のやりとりでの私の言動は「モンスター」。ちょっと言い過ぎたかなあと反省しています。

 同じマンションに住む中国人ママも、急な変更に当初は怒っていたけど、切り替えも早く、変更後数日ブツクサ言っていた私に、「しょうがないよ」と笑顔で諭してくれました。その後は、バスが遅れようと早かろうと動じず、「まあこんなもんでしょ」とかっこよくいう彼女を見習うことにしています。



Yukacchi

投稿者について

Yukacchi: 無錫在住の日本人駐在員の妻。家族構成は夫と4歳の娘。 いつの日か必ずやって来るであろう帰国命令に怯えながら(笑)、『日々楽しく』をモットーに『太太』生活を満喫中。現在ハマっているのは、中国茶藝と中国ドラマ。 中国滞在は3度目、通算5年。大阪府出身。