現在、5月に入ってゴールデンウィークを終えようとしているが、老二の学校探しも佳境に入ってきている。が、一番の問題は「学費の値上げ」だったりする。
上海のインターナショナル系の学校の学費はうなぎのぼり。老大の小学校も例外ではなく、今年また学費が値上がりする。老大の学費は、入学当時に交わした契約書のおかげでそのままだが、もし老二が今年この学校に入学すれば、彼の学費は2倍の額となる。兄弟割引があるとのことだけど、この老大と老二の学費の差はどうなるのだろうか。担当の先生もちょっと苦笑いしながら、
「新価格の学費からの割引になります」という。
老二、老三の幼稚園でも…
老大の時からずっと値上げがなかった老二、三の幼稚園でも
今年は一気に値上げの波がきた。
以前密かに存在した兄弟割引もなくなった。
こっそり聞いてみると、
「今年は兄弟が多いのよ。それでも文句は出てないわ」
とバッサリ…そんな理由で?
幼稚園の対応は、人気が上がってきたせいか、
「気に入らないなら、ほかを当たってください」
と言わんばかりの態度でいたって強気。
家から一番近くて、内情もよく知っているこの幼稚園。
悩んだものの、他に候補もないので折れてしまった…。
現場と連動してない?上海市政府の教育指導
ところで、上海では私立も公立も
教育内容はそれぞれの学校が所属する区の教育局の規定に
従わなくてはいけないことになっているらしいのだが、
この規定が毎年コロコロ変わる。
またこれが現場の混乱だけを招いているようなもので…。
老大の時には「幼稚園ではピンインを教えてはならない」という政策がでた年もあり、先生も困惑していたことを思い出す。
そこで、ほとんどの子どもたちは家庭でピンインの教育をされていたらしいのだが、
まったく鈍感な親をもった我が家の老大はピンインの基礎のないまま小学校に入学することとなり、いまでも「ピンイン」が苦手だ
ピンインとは中国語で「拼音」と書く、中国語の発音をアルファベットで表現したもの。
上海の小学校では、「ピンイン」の学習は「入学以前に教育されてきている」前提で進められており、あくまで「復習」の意味でしか触れられない程度のものだったらしい。
政策はあくまで「建前」でしかなかったらしいのだ。
暗黙の了解というものが、当時の私にはわからなかった。
さて、今年はまた「幼稚園でテキストを使って授業をしてはならない」という
政策がでたらしい。
老二、老三の幼稚園では、幼稚園独自のテキストを使って教育をしていたため、
今学期から教材は「外注」となります、と説明があり、
半強制的に別途教材費を取られた。今までの学費に上乗せされたのもまったく納得がいかない。
なにより不思議なのは、このことに対しての文句がでなかったことだ。
日常生活では、ことあるごとに、クレームを入れ、交渉勝ちしようする上海人も、親として「わが子の教育」に関しては手も足もでない状況なのか。
こういう時こそ、その交渉能力を発揮して団結してほしいところなのだが…。
tako: 1998年より上海在住。留学後、現地ベンチャー、フリーコーディネイター、駐在員を経験。現在、専業主婦。 ローカル生活の中で「小さな幸福」を見つけながら、地道に暮らす。 家族は、現地で起業している夫と現地校に通う息子が三人。趣味はネットリサーチ。