台湾留学ほのぼの通信 第9回

2016年10月6日 / 台湾留学ほのぼの通信



(写真1:ランチのあと台風の中訪れた迪化街。写真では伝わりにくいですが、激しい雨と風で写真を撮るのも一苦労でした🌀)




第9回 心配症のロキおじさん

 今週末、夏休みアメリカで知り合った、香港系アメリカ人の友人、リアーナが台湾へ遊びに来ました。台風16号の影響で仕事も学校もお休みになった17日の朝、リアーナのお母さんの親友、「ロキおじさん」からリアーナに電話がかかってきました。ロキおじさんは台湾人、ところがリアーナはアメリカで育ったので中国語がほとんど分かりません。ロキおじさんの話す中国語が聞き取れず苦戦している彼女を見てかわいそうに思った私は、通訳を申し出ました。ロキおじさんが言うことには、「せっかく親友の娘が台湾に来ているのだからぜひ会いたい、今は台中にいるけれど、これから台北の家に戻るから、午後にでも会えないか。」とのこと。台風休暇で何もすることが決まっていなかったので、その日の午後にロキおじさんに会うことにしました。「またあとで連絡する。」と言われ電話を切ると、「今いる場所の住所を教えてほしい」とFacebookに連絡が。リアーナは私の住む宿舎に荷物を置いていたので、宿舎の住所を教えて、台湾大学付近の散策に出かけました。

 すっかり午後に会うつもりで、のんびり散策を楽しんでいた午前11時ごろ、リアーナが携帯を見ると、ロキおじさんから「今宿舎の前にいるけれどどこにいるのか。」との連絡が何件も溜まっていました。慌てて電話をかけ謝ると、「我一直在等妳們。(ずっと待っているから大丈夫)」とのこと。電話越しのおじさんの声や口調はなんだかとても怒っているようで、私たちは大急ぎで待ち合わせ場所へ向かいました。
 
 その途中でリアーナに、「ロキおじさんはお母さんの親友なんだよね、わざわざこうやって会うくらいだし、小さいころからお世話になっているの?」と聞くと、「ううん、たぶん一回くらいあったことはあるけど覚えてないなあ、実は顔も分かんないんだよねえ(笑)」とのこと。言葉が通じないのというのに、私がいなかったらどうするつもりだったのやら…



(写真2:蛇スープと蛇酒。お値段もお高め!蛇肉は鶏肉のようなお味でおいしかったそう…)



 きっとひどく怒られるのだろうとドキドキしていると、怒っていないどころかとっても嬉しそうなロキおじさんが出迎えてくれました。喫茶店でコーヒーとランチをご馳走になる間、私は中国語を英語に、英語を中国語に、をひたすら繰り返し、初めて会うロキおじさんとリアーナがお互いに良い印象を持てるよう、頭をフル回転させました。英語も中国語も日常会話は問題ないレベルであるとはいえど、通訳がこんなに頭を使うものだったとは!!!ランチを食べ終わっても食べた感覚が全くせず、逆に脳が糖分不足を訴えているようでした(笑)日本生まれ日本育ち・純日本人の自分にとって、外国語を外国語で翻訳するのは初めての経験でした。すっっごく疲れたけれど、同時にとてもInterestingで感覺很不錯☺
 
 その日の夕方、あいにくの台風で夕ご飯を一緒に食べる予定が中止になってしまいました。するとロキおじさんは“Outside the wind and rain. If you have to go out to pay attention to safety.”(風と雨が強くなってきたから、もし外に出るんだったら安全に注意するんだよ。)というメッセージをわざわざ送ってくれたのでした。

 その翌日も、またその次の日も、リアーナとロキおじさんは再び一緒にお出かけ。その待ち合わせ場所と時間の連絡は私が代わりにやってあげました(笑)食べるのが大好きなリアーナのために、お出かけしている間ずっと、ロキおじさんは美味しい食べ物をご馳走して(魚フライ・蛇肉スープ・鶏のから揚げ・揚げ饅頭・ソーセージ・小籠包・お鍋…13時半から20時の間だけで2日分は軽く超す量だったとか…)、お土産に綺麗なインドネシアの伝統衣装までくれたそうです。そして私が授業の関係で一緒に来れないのが残念だ、とずっと気にかけて下さっていたそうです。



(写真3:付近を30分間さまよってやっとたどり着いたバス乗り場。ロキおじさん同様に心配性の私も、リアーナが無事にたどり着けるか心配で心配で授業どころではありませんでした(笑)ちゃんと着いてよかった!)



 リアーナが、後でこんなことを話してくれました。「私のアメリカ人の友達も、台湾人はみんなロキおじさんみたいにいい人たちだって言ってた。私が空港へ向かうバス乗り場を探していた時も、台湾人のおじいさんに道を聞いたら、その人は英語がわからないのに、私が迷子になるのを心配して、優しく腕をつかんでバス停の見えるところまで連れて行ってくれたの。そのおじいさんもロキおじさんも、本当に良くしてくれて、みなみが言ってた通り、台湾大好きになっちゃった。」

心配性のロキおじさんの通訳と連絡係をするのはけっこう大変だったけれど、またこうして台湾の・台湾人の魅力を知ってくれる人が増えて、うれしい限りです。



Minami Kanazshi

投稿者について

Minami Kanazshi: 国際教養大学3年生の金指(かなざし)みなみです。 現在、台湾・国立台湾大学で、大学の授業に、中国語の勉強に、台湾人とのご飯会に、現地のダンスサークルでの練習に、毎日盛り沢山な留学生活を送っています。 美味しいものをたくさん食べて、たくさん運動して、あったかい現地の人とたくさん交流して。外見も内面も、“台湾美女“になって帰国するのが密かな目標です。 ゆるゆるほのぼのな台湾での留学生活を共有し、一人でも多くの方を笑顔にしたい、そう願って記事を書かせていただきます。半年間どうぞよろしくお願いします。 ・台湾留学生のFBページ ・台湾留学に関するFBページ ・国際教養大学の留学ブログ