台湾留学ほのぼの通信 第五回

2016年9月18日 / 台湾留学ほのぼの通信



(写真1 お気に入りのYouBike♪世界でも有名なGIANTというブランドの自転車なので、乗り心地と性能はぴかいち!台湾大学の巨大なキャンパスは自転車で巡るのがお勧めです。)


第5回 抜けてるお父さんと放っておけない娘の話

海外旅行をするのは約20年ぶり、英語も中国語もちんぷんかんぷんの父。何度か訪れるうちにすっかり台湾の大ファンになってしまった母に、連日台湾旅行を薦められ、そんな父もしぶしぶ腰を上げ可愛い娘に会いにやって来ました。現代の情報に疎いかつ海外慣れしていない父が一人でやってくることが心配で心配で、ホテル探しからスケジュールの管理から、何から何までツアー会社並みの事前準備を重ねていた娘と対照的に、父は完全に休日モード。何も考えずにふらふらと遊びに来たのでした。娘の悪い予感はすぐに的中。時差を考えていなかった父は、待ち合わせ時間を日本時間と勘違いし、1時間空港で待ちぼうけ、更に日本で登録してきたはずの無料WiFiサービス、「Taipei-free」が使えないと文句を言い出し(使えなかった原因は日本で最終登録認証をしていなかったため)、挙句の果てにホテルの予約が1日ずれているという始末。旅行始めから寿命が縮む思いの娘でした…

 けれど、そんなダメダメの父から学んだこともたくさんありました。半年間台湾で過ごすうちにすっかり台湾の社会と文化に慣れ、忘れつつあった日本のそれらを思い出すことができたのです。例えば、スーツケースを押して歩く父のために道を開けてくれたおばさんたちを見て、「日本だったら絶対道開けないよなあ。」とぽつり。



(写真2 台湾大学農学部の展示室で見つけた「オータケ」製もみすり精米機に興味津々。日本語を見つけるとつい嬉しくなっちゃう父でした。)

そして、サービスよりも店の回転率を重視している、営業スマイルなどとは無縁な飲食店員の対応に対して、「店員と目が合わないなあ、日本だったらレジに並んでいて自分の番が来たら、絶対店員が目を合わせてくるもんなあ。」と面白い指摘。更に、「台湾の物価は安いけど、日本はお金でサービスを買うからなあ、それはそれで大事だ。」とサービス業界で真面目に働く日本人らしい一言。父の発見と一言で、細かいことは気にしないゆるゆるの台湾で暮らすうちに薄れていた、日本人のアイデンティティを見直すきっかけになりました。

 台北101(台北のシンボルタワー)、士林夜市(台湾最大の夜市)といった観光地よりも、建物の簡素な作り、自動車や原付バイクの種類、うねうね曲がった南国の植物の生え方、学生宿舎の細い蛍光灯…といった変わったものに興味津々の父でしたが、台湾の料理の薄い味付けや、YouBike(台北の至る所で利用できるレンタル自転車)の乗り心地はやはり気に入った様子。2日間を終え、文化があまり進んでいない、海外だから治安が良くない、衛生的に良くない、サービスの質が低い…などの偏見を持っていた父も、日本とは違った台湾の良さと、娘が自分の性格に合った、治安も良い台湾の地で楽しく生活していることを知ってくれたようでした。搭乗手続きに手間取って、帰りの飛行機に遅れそうになった、最後までどこか抜けているお父さんも、この旅を通して、また台湾に来たいと思ってくれていますように。でも次はちゃんと自分で調べて、可愛い娘にあんまり心配かけないようにね!



(写真3 台湾名物の代名詞、小籠包の人気店「杭州小籠包」で頼んだカニとかぼちゃと豆腐の何か。お店の売りじゃなくていつも変わったものを頼みたがる父。でもこれはとても当たりの一品(笑))




Minami Kanazshi

投稿者について

Minami Kanazshi: 国際教養大学3年生の金指(かなざし)みなみです。 現在、台湾・国立台湾大学で、大学の授業に、中国語の勉強に、台湾人とのご飯会に、現地のダンスサークルでの練習に、毎日盛り沢山な留学生活を送っています。 美味しいものをたくさん食べて、たくさん運動して、あったかい現地の人とたくさん交流して。外見も内面も、“台湾美女“になって帰国するのが密かな目標です。 ゆるゆるほのぼのな台湾での留学生活を共有し、一人でも多くの方を笑顔にしたい、そう願って記事を書かせていただきます。半年間どうぞよろしくお願いします。 ・台湾留学生のFBページ ・台湾留学に関するFBページ ・国際教養大学の留学ブログ