ながみみシャルルの物語

北京に暮らしてすぐのころ、町の中心にある鼓楼や鐘楼を近くで見て、こんな歴史の残る素敵な町にこれから自分が住むのかとワクワクしたことを思い出します。胡同を歩きながら、小さなレンガの家に一度住んでみたいけど生活するのは大変かなと思いを巡らせてみたり、日向ぼっこしているおばあちゃんたちにまじっておしゃべりしたり、日本に戻り生活に追われる日々の中で、そんな北京での思い出のカケラが急に心の中に広がる時があります。

日本にいると、自分がなぜあんなにも北京の町に魅了されていたのかわからなくなり、北京での生活がまるで夢の中の出来事だったかのように思われるのです。忘れてはいけない大切なものをあの場所に残してきてしまった気がするのですが、それが何なのかつかめそうでつかめずにいます。

引っ越してきたばかりの主人公シャルルは、鐘楼の近くに住む個性的な町の人々に出会っていきますが、それはまさに私が北京で会った人々そのものです。シャルルが過ごす町での日々をえがくことで、もう少しいたかったあの町に戻り、自分にとって大切なものが何だったのか、シャルルと一緒に探していきたいと思います。

そして、物語を通して、お話を読んでくれるみなさんに少しでも何かを伝えることができたらうれしいです。



ながみみシャルルの物語 〜まいごのシャルル〜

目次

『ながみみシャルルの物語』第1話は「まいごのシャルル」です。
町に引っ越してきたばかりのシャルルは、買物にでかけて胡同を歩いているうちにすっかり迷子になってしまいます。新生活が始まるとワクワクしていたシャルルでしたが、思うようにいかないことの連続!この先この町で無事にやっていけるのでしょうか!?

1.春はまだ
2.ラオワンのおさんぽ
3.ため息の正体
4.シャルルの新しい日
5.青色のさがしもの
6.あこがれの鐘の音
7.暗闇の世界へ
8.ラオワンの想い
9.朱色の楼閣
10.前と後ろの境界
11.階段の先に
12.青色の瓦屋根

登場人物紹介

【シャルル】

町に引っ越してきた主人公のシャルル。子どもにみえるけれど、立派な大人。

【ラオワン】

同じ時間に同じことを毎日くりかえして過ごしている胡同の住人ラオワン。散歩の途中シャルルに出会ったことで、その日常が変わっていく。

【ナィナィおばあさん】

家の前に座っていつもみんなの話を聞いているナィナィおばあさん。町のことならなんでも知っている。

◆シャルルのすむまち







papa

投稿者

Kiyomiy

1976年生まれ。静岡県出身

コマ撮り (ストップモーション)映像撮影やデザイン制作、 オリジナルグッズの企画制作を行う『FrameCue』(http://framecue.net)主宰。
ブログ『ツクルビヨリ』(http://framecue. net/tsukurubiyori/)にて仕事からプライベート まで365日つくる毎日を記録中。

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