Happy Birthday to 三影堂!

2016年8月23日 / ロンロン&インリ



(写真)ロンロンの故郷の農村にある土楼


写真・文:佐渡多真子(フォトグラファー)

6月27日、設立8周年を迎えた「三影堂撮影芸術中心」にて「第二回三影堂実験映像開放展」「太宰:森山大道展 」開幕と合わせ、記念晩餐会が開かれました。8年前の2007年、中国においてまだ作品の発表の場が限られていた時期に、中国の写真芸術発展・普及に尽力したいと、世界的写真芸術家ユニット・榮榮&映里のおふたりにより「三影堂撮影芸術中心」は設立されました。中国人の榮榮さんと日本人の映里さんは、表現とプライベートの両方で支え合ってきたパートナーです。 

「商業主義に流されず、いい作品を展示し続けていくこと」を理念とする三影堂の運営は楽ではありませんでした。北京の再開発、取り壊しにも直面します。最初の5、6年は、運営難に直面しながらの厳しい日々でした。しかし、規定の枠にとらわれず、常に新しい運営方法、展開方法を作り続け、国際的な評価を得ることで状況を変えてきました。三影堂の理念に賛同する若いスタッフの協力が大きな助けだったと映里さんは語ります。

今後は、国内で写真文化をさらに広げるべく、地方政府と協力した国際的な写真フェスティバルを開催するなど、世界的な関心を得られるようなイベントを計画中。また、日中の写真文化交流、特に若者の交流に力を注いで行きたいと二人は語りました。



(写真)「太宰:森山大道撮影展」会場では、森山大道のオリジナルプリントが100枚近く展示され圧巻です。写真集も北京聯合出版公司から出版されました。




(写真)写真集のアートディレクター、町口覚氏によるトークショーも開催。多くの参加者の興味を引きました。




(写真)森山大道写真財団の代表理事森山氏、町口氏、榮榮&映里さんの案内で中国芸術界、実業界の重鎮も展示を参観。




(写真)55名のアーティストの参加による「第二届三影堂実験影像開放展」では、さまざまな実験影像が展示され、ビジュアル世界の広範な可能性を示唆しています。




(写真)三影堂の設計は北京オリンピックのメイン会場「鳥の巣」にも関わった世界的建築家・芸術家の艾未未(アイ ウェイウェイ)氏。4600㎡の敷地に2500㎡の建物という壮大なスペースからなる空間は、グリーンの芝生と、艾未未特有のグレーの煉瓦の建物で構成されています。どの季節に訪れても心地よく、心を静め、アートという魂の世界と向かい合うのに最適な空間です。北京に来たら、写真好きに関わらず足を運んでみることをおすすめします。

「太宰:森山大道撮影展」6月28日ー8月27日
「第二届三影堂実験影像開放展」6月28日ー8月2日

三影堂撮影芸術中心
北京市 朝陽区 草場地 155号 TELl:010-6432-2663
10:00~18:00 月曜休館 入場無料


Inri

投稿者について

Inri: アーティスト 北京在住 1973 神奈川県生まれ 1994 日本写真芸術専門学校卒業 1994-97 朝日新聞社出版社写真部委託勤務 1997 フリーランスとなり自主作品制作に専念 2000 榮榮と共作開始 2001 オーストリア連邦政府のレジデンスプログラムに参加 2006 北京に三影堂撮影芸術中心を創設