<第1話> 僕はどうしても「CEIBS」に行きたかった

<プロフィール>

1986年東京生まれ。私立武蔵高校、早稲田大学理工学部卒。大学在学中は体育会ラクロス部に所属。 2010年株式会社商船三井入社。関連会社出向、本社経営企画部を経て2016年8月より、上海にあるChina Europe International Business School (CEIBS)に現在会社からの派遣でMBA留学中。

ブログ: CEIBS MBA日記 (http://ceibs2018.hatenablog.com)

<紹介文>

第1、2回では、大山さんがなぜ会社の制度がない中で、社費留学制度を作ってまで、中国MBAに行きたかったのか。第3回では、なぜ中国人エリートの働き方に興味をもったのか。第4回以降は、中国人同級生の取材を通してこれからの中国人エリートの働き方にせまります。

 

 

<第1話>僕はどうしても「CEIBS」に行きたかった

なんとなく、中国を遠ざけていた

多くの日本の会社が中国の経済成長の恩恵を受け大きな利益を挙げたにもかかわらず、また中国と日本は隣国で歴史的にも大変深い関わりがあるにもかかわらず、 更に実際に中国本土に行ったことがない人がほとんどであるにもかかわらず、多くの人が中国に対してネガティブなイメージを持っていることに、漠然とした疑問をずっと持っていました。

会社に入ると、多くのビジネスが中国とリンクし、中国を無視することなどできず、より中国の存在感を感じるようになりました。

こんなに存在感があるのに、一方でマスコミに植え付けられたイメージのためになんとなく中国を若干敬遠してしまっている自分に気づき、「イメージだけで何となく避けていることで、大変貴重な機会を逸しているのでは」と思うようになり、「一度しっかりと中国に向き合って、先入観なく中国を見つめてみよう。生の中国を知って、それでも日本の多くのマスメディアが報道しているような中国で、あまり好きになれなければ今後近づかなければいいけど、できることならどうせこれから少なくともビジネスでは一生つき合っていくんだし、好きになった方がいいに決まっている」と思い、短絡的な私は、「よし、そのために中国語をマスターしよう」と思い中国語の勉強を開始しました。

世界ランキングトップMBAが上海にあった

中国語の勉強を進めていくと、今まで以上に中国の情報に敏感になります。また能動的に自分からインターネットで中国に関する情報を調べるようになりました。特に、日本では報道されていない、IT産業を中心とした中国の方が日本に比べて遥かに進んでいる分野に興味を持つようになりました。興味深いことにそのような、日本人にとってあまりおもしろくない情報は日本語ではほとんど書かれておらず、英語か中国語の情報に限られます。

そんな中、たまたま目にしたFinancial Times の大学のランキング記事で、全世界のMBAのランキングの記事を目にします。その中に日本の学校は一つも入っていませんでしたが、中国の学校が複数入っていることに驚きました。特に、欧米の名門校を押しのけて、トップ20位(当時17位、現在は11位)にランクインしているChina Europe International Business School(CEIBS)という学校が目につきました。

(写真:憧れのCEIBSのキャンパスとロゴ)

中国といえば、北京大学や清華大学といった超名門の総合大学は知っていましたが、CEIBSという名前はその時初めて目にしました。恥ずかしながら最初は今までの人生で一度も聞いたこともないし「胡散臭い学校」と思っていましたが、中国語を学ぶにあたって先入観をなくすことを心がけていたので、とりあえず調べてみると、驚いたことに設立されて20年そこそこしか経っていないに、設立後10年でFinancial Timesのランキングトップ10 入り、以降もずっと世界のランキングで20位以内をキープしている、世界的なMBAスクールということを知ります。今度は中国語で検索してみると、アリババやテンセントをはじめとした中国の大企業の幹部を多数排出している、アジアNo.1のものすごいMBAスクールということを知るのです。こんな情報は今まで誰も教えてくれなかったし、中国語を勉強して中国に興味を持たなければたどり着かないものです。CEIBSに興味を持った私は、そこで初めて「MBA」を意識することになります。

ここでCEIBSを簡単に紹介します。CEIBSは1994年に中国政府とEUが合同で非営利の教育機関として設立したMBAスクールです。当時、中国政府は企業の経営層、及びシニアのマネージャー層の質が欧米に比べ劣っていることを感じていました。そこで、リーダーシップとアントレプレナーシップを持って組織をマネージメントできる、主にシニアのマネージャーを多く 輩出することで中国企業の競争力を高めようと、中国から世界レベルのMBAスクールをつくるべくCEIBSが設立されました。その後、的確な学校運営と中国の急速な発展をバックに世界中から優秀な教授や学生を集めた結果、1994年の開校より10年あまりで、フィナンシャル・タイムズの世界MBAランキングのトップ10入りを果たします。今年のランキングは世界11位、アジアでは1位。フィナンシャル・タイムズのみならず、ForbesやNewsWeek等からもアジアNo.1のビジネススクールとして評価されています。学生の比率としては60%が中国人で、40%が外国人。女性の比率は45ほどです。

(写真:キャンパスではTED等のイベントも頻繁におこなわれる)

ここまでが外形的なCEIBSの説明ですが、私が個人的に感じている他のMBAスクールにはないCEIBSの大きな特徴は、「野心的」であるということです。これはCEIBSのキャンパスを初めて訪れた際に感じました。ランキングの上がり具合や、次のハーバードになるという壮大な目標を掲げているCEIBSは、 野心的です。アドミッション・オフィスもそれを隠そうとせず、学校の説明の際はどんどんビジョンを語ってきます。私は受験の際に多くの学校を実際に訪れキャンパスビジットしましたが、ここまで学校としての勢いを感じたのはCEIBSだけでした。学校のみならず。 発展する中国経済でチャンスを掴もうと世界中から集まってきた学生も野心的です。そんな学生達のディマンドを満たすべく、CEIBSのカリキュラムはハードに設計されています。


Hirotaka Oyama

投稿者について

Hirotaka Oyama: <プロフィール> 1986年東京生まれ。私立武蔵高校、早稲田大学理工学部卒。大学在学中は体育会ラクロス部に所属。 2010年株式会社商船三井入社。関連会社出向、本社経営企画部を経て2016年8月より、上海にあるChina Europe International Business School (CEIBS)に現在会社からの派遣でMBA留学中。 ブログ: CEIBS MBA日記