第2回 長江商学院MBA Cindy(女性)28歳

(写真)授業の合間の休み時間に、学生の質問に熱心に答える人気教授。続々と学生が集まり、議論がヒートアップ

<プロフィール>
1983年河北生まれ。14歳まで河北で過ごす。中学卒業後、高校には進学せず、ハルビンにあるイギリス留学のためのプレップスクールで2年間過ごす。イギリス留学の資格を得るものの、叔父がハルビンで設立した英語学校(ABC外国語学校)の北京校立ち上げに参画するため、北京で仕事を開始。3年間北京で英語教師として働いた後、叔父から上海校の立ち上げを任され、上海に一人で赴任。ビジネスの立ち上げから、教師採用、英語教師、学校運営に7年間従事。2010年、経営トップを兼ねながら、長江商学院MBAに入学。モジュール1、2で学級委員長を務めた。

抜群の英語力、15歳で英語教師に。20歳で学校経営。チャレンジ大好き!

Q. 両親や叔父はどんな人?

A. 両親はすでに退職、母親は幼稚園の先生、父親は鉄道会社勤務。母はとても思いやりがあり、父はとても厳しく、規律を重んじるタイプ。叔父は大学在学中に小学校で英語を教えていて、子どもたちからとても人気がある先生だった。大学卒業後も子どもたちから強い要望があり、1997年に子ども向けの英語学校(ABC外国語学校)をハルビンで設立した。

Q. 子どものころはどんな子?

A. 中学校のころはとにかく英語が好きで、映画、歌、詩などを用いてとても楽しく英語を学んだ。中学卒業後、高校には進学せず、ハルビンにあるイギリスの大学に入るためのプレップスクールに入学して、2年間、英語で教養やビジネスなどを学んだ。私以外の生徒は全員高校を卒業していたが、私は英語が抜群にできたので特別に入学を認めてもらった。先生はすべてイギリス人。このころ、私の叔父がハルビンで子ども向けの英語学校を設立し、私も英語教師として子どもたちに英語を教え始めた。15歳だった私は、7歳ぐらいの子どもたち40人を相手に英語を教えていたが、最初はとても苦労して、子どもたちとのバトルの日々だった。

Q. なぜイギリスに留学しなかったの?

A. 叔父のハルビンでの英語学校が軌道に乗り、叔父は次に北京校立ち上げを計画していた。叔父からイギリス留学か北京でのビジネス立ち上げかを問われ、ビジネス立ち上げの経験はとても貴重な経験だと思った私は、自分の判断で北京でのビジネス立ち上げを選んだ。

Q. 両親や叔父からの影響は受けている?

A. 母、父、叔父の3人からの影響を強く受けている。仕事に関しては叔父から多くを学んだ。両親はいつも私の人生の選択をサポートしてくれた。一方、叔父は私に挑戦させることが多かった。例えば、叔父は泳ぎ方が分からない私を川に放り投げたり、バンジージャンプ、スカイダイビングなどどんどん挑戦させたくれた。2003年は上海校設立にあたって、私に上海に行ってビジネスを立ち上げて来いとまた挑戦させた。叔父からの強い影響もあり、私は挑戦が大好きだ。

叔父の反対を押し切って働きながら通信教育で学んだ4年間。学士号取得していま、MBAヘ。目標は経営する学校の上場とビジネス拡大

Q. 叔父の指示に反対したことはある?

A. MBAに入学する意思を叔父に伝えたときは、行く必要がないと許可してくれなかった。私は納得せず、大学を出ていない私はMBAに入学するために学士号を取得しなければならず、自ら通信教育(Tianjin Foreign Studies University)で4年間働きながら勉強し、やっと昨年学士号を取得できた。学士号取得後、再度叔父に相談したところ、叔父は私の努力を認めてくれ、ゴーサインを得ることができた。有難いことに、学費はすべて叔父が出してくれた。

Q. MBAでの成果、今後の方向性は?

A. MBAに入学して統計、ファイナンス、ビジネスモデルなど私の知らない世界をいろいろと学ぶ中で、私は叔父の英語学校とビジネス界の橋渡し役になれると思っている。具体的には、会社を上場させ、さらにビジネスを拡大することができると考えている。叔父は上場や外のビジネスをあまり知らないが、私はバックグランドの異なる多くのクラスメートや教授から様々な新しい世界のことを学ぶことができる。私がリードして会社を大きくしてきたい。中国の教育業界は、現在10社以上は海外に上場しており、子どもへの教育需要は大きく、マーケットはどんどん拡大している。この厳しい競争環境を勝ち抜くために、MBAで勉強しつつ、優秀な仲間と絆を深めていきたい。

Q. バーリンホーはどんな世代?

A. 責任感が強い世代。個人主義と集団主義がうまく釣り合っている世代だと思う。70年代は集団志向が強く、90年代は個人志向が強い。きっと、これは生まれたころの時代背景が影響していると思う。

Q. 効果的な英語学習法は?

A. とにかくたくさん映画を見て、英語に興味をもつこと。それから、話す機会をたくさんつくること。子どものころは自分のレベルにあった英語、歌、詩などからたくさん学び、気に入ったものは覚えて、人前で話したりすること。興味をもつこと、楽しめることがとても大事。



Akinori Ouchi

投稿者について

Akinori Ouchi: 現在、日系事業会社の香港を拠点に中国関連の事業投資に従事、中華圏在住8年目。 1980年11月生まれ。大学在学中に日本の公認会計士試験(旧第二次試験)に合格。 大学卒業後、米系投資銀行でIPO引受/M&Aアドバイザリー、ネット系ベンチャーで事業開発を担当。 30代は「海外で活躍する」という夢を実現しようと、29歳のときアジアの時代に中国のトップビジネススクールである長江商学院に私費MBA留学。優秀なクラスメートたちに刺激され、卒業後は中国に残ることを決意。 留学や仕事で4年過ごした北京を離れ、2014年7月から香港へ移住。