第6回 長江商学院MBA James(男性)27歳

(写真)訴訟に発展した中国企業と欧州企業の合弁企業のケーススタディで、2チームに分かれ、ディベート。アナウンサー並みの表現力を誇るアメリカ人アダムがロジカルに主張を展開しています。

<プロフィール>
1983年生まれの一人っ子、江蘇省塩城出身。父親は共産党員として地方政府に20年間以上勤務、母親は医薬品を販売する会社を起こし、自ら経営。大学時代に共産党員の活動に熱心に取り組み、共産党員の資格を取得。卒業後は、外資系企業3社を渡り歩いた後、長江商学院MBAに入学。卒業後は、金融関係に就きたいと考えているが、大学時代の多くの友人が共産党員として地方政府で働いていることもあり、彼らとともに会社を起こすのが将来の夢。

両親から人間関係やビジネスの基本を学ぶ。「まず先に人に協力や時間を惜しみなく与えよ。そして、信頼を勝ち取れ」

Q. 子供の頃、両親はどんな人だった?

A. 父親は若い頃は玩具製造企業で働いたり、起業して会社経営をしていた。その後、父親の学生時代の友人で地方政府の市長をしている友人がおり、その友人のコネで地方政府に勤務することになった。それ以降、もう20年以上地方政府で働いている。母親は医薬品を販売する企業を設立し、小さいながらも会社経営に従事している。両親は教育に関して私に何も言わなかったが、しつけに関してはひとつだけよく言われたことがある。「友人や仕事仲間に対しては、まず自分から先に協力や時間などを惜しみなく与え、相手の信頼を勝ちとっていくことが大事だ。」特に、会社経営をしている母親からよく言われた言葉だ。

Q. 中国社会ではやっぱりコネは重要?

A. 父親は地方政府の市長をしていた友人のコネのおかげで、地方政府に勤務することができた。母親は会社経営をしていたが、地方政府に勤務する父親の協力を得てビジネスを拡大することができた。中国でビジネスを展開しようとすると、地方政府との関係がとても重要だ。

大学時代は共産党員の活動に熱心に従事。遠い将来はそのメンバーとともにビジネスをするのが夢。

Q. 中学、高校、大学時代はどんな生活だった?

A. 中学、高校ではよく勉強し、歴史や地理が大好きだった。多くのクラスメイトは清華大学、北京大学など中国でトップ15の大学に入学、20名ほどは空軍に入隊した。軍隊に入隊すると毎日忙しく危険も伴うが、20年ほど勤めた後、地方政府から生活が保証されるので会社勤めより生活は安定すると思う。
私は地元の江蘇省のトップクラスの南京農業大学社会学部に進学した。大学時代もよく勉強したが、共産党員の活動に加わり、4年間熱心に活動した。卒業時に共産党員の資格を得たが、大学卒業後は国営企業ではなく、外資系企業で働いた。そのメンバーの多くは共産党員資格を得て、卒業後は地方政府で働いている。将来地元でビジネスをする際は、強力なコネになると思う。
大学時代は経済科目を熱心に勉強したが、放課後はよく英語塾に通っていて、そこでスピーキングスキルを徹底的に磨いた。大学時代に英語は自信がつくまでになった。部活は卓球、アルバイトは全くしていない。私の頃は、大学時代にアルバイトをする人は少ない。

Q. これまでのキャリアは?

A. 大学卒業後は、上海で3社の外資系企業で働いた。1社目は世界的にも有名な米国企業、Dun&Bradstreet International Consultingでビジネスアナリストとして働いた。過去4人の米国大統領が勤めた会社だ。2社目、3社目もビジネスアナリスト、コンサルタントとして外資系企業で懸命に働いた。

Q. なぜ長江商学院MBAを選んだの?

A. 長江商学院、CEIBS、北京大学の中からもっとも自分に合うところが長江商学院だった。ヨーロッパの有名なMBAや日本の一橋大学にも出願しようとしたが、TOEFLがあと一歩届かず、結局長江商学院に決めた。卒業後は、金融関係の仕事に就きたいと考えており、長江商学院はファイナンスがもっとも強く、ファイナンスに強い教授陣や科目が充実している点が魅力だった。

Q. 卒業後の進路は?

A. キャリアチェンジをして、金融の仕事に就きたいと思う。アセットマネジメント会社での資産運用業務や大手企業の戦略部門が魅力的だ。母親の影響もあり、将来は地元で起業して自分の会社を持ちたい。大学時代に共産党員として一緒に活動したメンバーの多くが、現在地方政府で働いているので、遠い将来は彼らとビジネスをやりたい。地方政府とのコネは私の大きな武器のひとつだ。



Akinori Ouchi

投稿者について

Akinori Ouchi: 現在、総合金融グループの香港拠点で中華圏事業投資に従事。 1980年11月生まれ。大学在学中に日本の公認会計士試験(旧第二次試験)に合格。 大学卒業後、米系投資銀行でIPO引受/M&Aアドバイザリー、ネット系ベンチャーで事業開発を担当。 30代は「海外で活躍する」という夢を実現しようと、29歳のときアジアの時代に中国のトップビジネススクールである長江商学院に私費MBA留学。優秀なクラスメートたちに刺激され、卒業後は中国に残ることを決意。 留学や仕事で4年過ごした北京を離れ、2014年7月から香港へ移住。