第13回 長江商学院MBA Sasha(女性)27歳
田舎者から上海、マカオ、そしてアメリカへと人生ステップアップ

(写真)スペインで思いっきりリラックスし、鳥さんとツーショットのSasha。「楽しく」「幸せ」が生きるモットー

<プロフィール>
1984年生まれの一人っ子、甘肃省出身。両親は地元のアルミニウム生産工場に勤務、普通の家庭に育つ。学生時代、勉強はトップクラスで、大学は上海外国語大学に入学し、英語とロシア語を専攻。上海で行われた国際会議やイベントの通訳や翻訳のボランティア活動に従事し、3年生時には代表を務める。大学卒業後は、上海建工集团に勤務し、コマーシャルマネジャーとしてマカオに赴任。4人の部下を率い、マカオでカジノやホテル建築プロジェクトに従事。会社全体のマネジメントを学ぶために、長江商学院に入学。

大学時代は数々の国際会議やイベントの通訳や翻訳のボランティアを務め、社会活動に貢献

Q. 子供の頃、両親はどんな人だった?

A. 両親ともにアルミニウム生産工場に勤務していた。当時、甘肃省は中国の中で最も貧しい省のひとつで、この境遇を抜け出すには必死に勉強して、トップ大学に入る以外に術はなかった。しつけに関しては、特に言われたことはない。父親は麻雀が大好きで、仕事が終わって家に帰るとよく夜中まで仕事仲間と麻雀をしていた。

Q. 学生時代はどんな生活だった?

A. 小中高時代、勉強はよくでき、甘肃省全体(15万人)中、20位くらいだった。当時は勉強の毎日で、放課後のスポーツなどのクラブ活動はなく、勉強以外は友達と遊んだり、テレビを見ていた。高校の時は学級委員長を務めた。話は飛ぶが、「楽しさ」や「幸せ」は本当に生きていくうえで大事な要素だと思う。私は楽観的に物事を考えることが好きで、いつも前向きに生きていきたいと思う。大学入学は成績と出身地が重要で、例えば北京大学や清華大学は北京在住の生徒の方が入学枠が多く、一方、地方出身者の枠は少なめで、成績も高い水準が要求される。私の成績は北京大学や清華大学の入学レベルに十分に届いていたが、当時祖父母が上海在住、両親も以前上海在住しており、上海は私にとって故郷のようなもので、上海の大学に行きたかった。そして、上海外国語大学に入学し、英語とロシア語を専攻した。大学時代は英語とロシア語を集中的に勉強しつつ、3年生の時に社会活動クラブの代表を務め、ロシア語から中国語への通訳や翻訳のボランティアをよくしていた。上海は国際会議や国際的なスポーツ大会が多く催されており、通訳者や翻訳者が必要で、それをボランティアで引き受けていた。テレビや新聞に私の翻訳がよく載っていて、とても充実したクラブ活動だった。他に、地方の貧しい地域に行き、小学生に中国語や英語を教えたこともあり、社会活動に夢中になっていた。こうした社会活動のおかげもあり、英語、ロシア語ともに国内の語学検定試験で最高ランク(レベル8)に合格できた。卒業生の多くは、同時通訳者や外交官になっており、今の外務省トップは私の大学の卒業生だ。

マカオでカジノやホテル建設プロジェクトに従事し、猛烈に働く。MBAで会社全体のマネジメントを学びつつ、人生ひと休み

Q. これまでのキャリアは?

A. 卒業後は、上海建工集团に就職した。なぜかというと、2006年に私は大学を卒業したが、その年は中露友好の節目の年で、この会社がロシア関連の建設プロジェクトを多数抱えており、ロシア語が流暢にできる学生を探していたためだ。この会社は上海にある有名な建築物の多くを手掛け、中国でもトップの建設会社だ。入社後はロシアに出張し、ロシアの不動産市場調査などに従事したが、当時はマカオ関連のプロジェクトも多く、ロシアと違って、マカオや香港は効率重視の仕事姿勢で、マネジメント力を含め多くを学べると思ったので、マカオに赴任することに決めた。マカオではコマーシャルマネジャーとして、カジノやホテルの建設プロジェクトに従事し、コスト・収益・予算管理、市場可能性調査、事業開発などを担当した。4人の部下を率い、土日関係なく、猛烈に働いた。その甲斐あって、2008年には会社から海外プロジェクトのベスト賞を獲得できた。

Q. なぜ長江商学院MBAを選んだの?

A. 会社で4年間働いたが、プロジェクトベースの仕事が多く、会社全体を見る機会が少なく、もっと大きな視点で会社を見たかったのでMBAに入学することを決めた。ただ、ハードワークな日々だったのでリラックスしたかったのも理由のひとつ。マカオや香港はハードワーカーの集まりで、非常にストレスフルな仕事場だと思う。

Q. 卒業後の進路は?

A. いろいろと悩んでいるが、前の会社に戻ることを考えている。会社全体を見るポジションに就くことも可能だし、給料も2倍くらいに上がる可能性があり、魅力的なポジションだ。8月から12月までアメリカへ交換留学に行くので、アメリカ中を旅行してリラックスしたい。とても楽しみにしている。



Akinori Ouchi

投稿者について

Akinori Ouchi: 現在、総合金融グループの香港拠点で中華圏事業投資に従事。 1980年11月生まれ。大学在学中に日本の公認会計士試験(旧第二次試験)に合格。 大学卒業後、米系投資銀行でIPO引受/M&Aアドバイザリー、ネット系ベンチャーで事業開発を担当。 30代は「海外で活躍する」という夢を実現しようと、29歳のときアジアの時代に中国のトップビジネススクールである長江商学院に私費MBA留学。優秀なクラスメートたちに刺激され、卒業後は中国に残ることを決意。 留学や仕事で4年過ごした北京を離れ、2014年7月から香港へ移住。