第4回 長江商学院MBA Frank(男性)31歳

(写真)クラストップの成績を誇るTonyによるプレゼン。得意のファイナンス分野とあって、熱がこもったプレゼンに皆聞き入っています。

<プロフィール>
1979年、四川省成都市(近くの町)生まれ。家族は両親と子供2人(彼と妹)。実家は自然豊かな片田舎で、親は農業や自営業で生計を立て、幼少の頃は貧しい生活を送る。工業学校で機械工学を学び、北京にある北京航空航天大学に進学。卒業後は、フランス系企業でソフトウェアエンジニアとして世界中の顧客を相手にハードワークをこなす。2010年長江商学院MBA入学。授業中、最も多く発言する学生のひとりで、長江アセットマネジメントクラブのリーダー。2006年に結婚し、子供を育てつつ、ハードな勉強をこなす努力家。

貧しい中で学費を貯めてくれた両親に感謝。成績トップ、リーダーを務めた中高時代。無試験で大学に進学

Q. 両親はどんな人?

A. 生まれた頃は、両親は農業で生計を立てていたが、私が8歳ぐらいの頃に父親が会社を立ち上げ、ピーク時は20人ぐらいの従業員を有する規模の会社にまで成長していた。教育に関してはとても寛容な両親だった。工業学校の学費は高かったが(当時、年間2千元)、親は私の進学のためにお金を貯めてくれ、両親にはとても感謝している。妹は高校卒業後に成都で働き始め、昨年結婚し、今は北京で生活している。幼少の頃は妹をよく世話し、今も仲の良い関係が続いている。北京では家も近く、よく食事や遊びに行ったりしている。

Q. 中学、高校時代はどんな人だった?

A. 中学では成績トップで、成都にある成都航空工業学校に進学。4年間のうち、最初の2年間は一般の高校と同じ科目を学び、3,4年時は機械工学を学んだ。生徒会の委員を務め、工業学校時代からリーダーシップを発揮できていたと思う。成績はトップで、北京にある北京航空航天大学へは試験を受けずに進学できた。同級生の多くは工業大学卒業後、働き始めた。
大学では工業学校に引き続き機械工学を専攻し、一生懸命勉強した。大学2年の後半から企業でインターンシップを経験したり、ゼミに入り専門性を磨いていった。大学でも生徒会に入り、リーダーシップを鍛えた。大学院では組み込みシステム(エンベデッドシステム)を専攻した。

エンジニアから金融へキャリアチェンジをめざして決めた長江商学院への入学。ビジネスで成功して家族と世界中を旅したい

Q. これまでのキャリアは?

A. 大学院で組み込みシステム(エンベデッドシステム)を専攻し、それを活かすためにフランスに本社を置くマルチメディア企業のトムソンでソフトウェアエンジニアとして働き始めた。トムソンでは世界中の顧客やチャイナモバイルなどの中国大手企業を相手にビジネスをし、かなりハードに働いた。トムソンで3年が経過し、プログラムマネジャーに昇格、よりビジネスサイドの仕事が増えていった。この頃からビジネス自体に興味を持ち始め、MBAやベンチャービジネスなどエンジニアサイドからビジネスサイドに舵を切ろうと思い始めた。MBAの前に、金融系テクノロジーベンチャー企業でセールスマネジャーとして金融機関向けのソフトウェアツールの販売や事業開発に従事。従業員は皆エネルギッシュでベンチャー企業の良さを経験できた。

Q. なぜ長江商学院MBAを選んだの?

A. 以前から金融に関心があり、自分で株式投資をしたり、金融の勉強をよくしていた。MBAを通して金融へのキャリアチェンジをしたい。嫁や子供のことを考えると、北京を離れることはできず、自然と長江商学院を選択した。教授は世界中から招聘されており、学生のレベルもトップクラスで非常に満足している。また、中国一のビジネスネットワークを有しており、人脈形成には最適なMBAだ。実際、長江アセットマネジメントクラブを設立し(25人参加)、卒業生とよくコンタクトをとるが、この人脈はすごいと思う。皆親切で、経験をシェアしてくれとても貴重なネットワークだ。

Q. 卒業後の方向性は?

A. 卒業後は、アセットマネジメント会社で働きたいと願っている。ウォーレンバフェットのような世界的な有名なファンドマネジャーになりたい。また、ベンチャーキャピタルも魅力的な職業だ。エンジニアとして豊富なバックグランドがあり、これを活かして中国から世界的なテクノロジー企業を育てたいと願っている。十分なお金を稼いで、家族を幸せに、世界中を家族とともに旅行したい。

Q. 80年代生まれはどんな印象?

A. 個人的な意見だが、70年代は伝統的、勤勉、自己統制ができるが、ちょっと退屈な人間だと思う(自分を含め)。一方、80年代は一人っ子政策の影響もあり、甘やかされて育っていると感じる。責任感もやや弱い。ただ、彼らの創造力、エネルギッシュなところはすごいと思う。



Akinori Ouchi

投稿者について

Akinori Ouchi: 現在、日系事業会社の香港を拠点に中国関連の事業投資に従事、中華圏在住8年目。 1980年11月生まれ。大学在学中に日本の公認会計士試験(旧第二次試験)に合格。 大学卒業後、米系投資銀行でIPO引受/M&Aアドバイザリー、ネット系ベンチャーで事業開発を担当。 30代は「海外で活躍する」という夢を実現しようと、29歳のときアジアの時代に中国のトップビジネススクールである長江商学院に私費MBA留学。優秀なクラスメートたちに刺激され、卒業後は中国に残ることを決意。 留学や仕事で4年過ごした北京を離れ、2014年7月から香港へ移住。