第10回 長江商学院MBA Penny(女性)31歳
出産もキャリアアップのチャンスに。MBA取得めざすアラサーママ

(写真)留学生にとことん親切なペニー。チューリップ満開 の北京森林公園で

<プロフィール>
1979年生まれの一人っ子、江蘇省出身。父親は軍事医、母親は中国語の教師で、高等教育を受けた両親のもとに育つ。学生時代は英語が大好きで、度々英語スピーチコンテストに出場し、賞を獲得。大学卒業後は、中国系、米系のソフトウェア企業でマーケッター、特にPRスペシャリストとして勤務。既婚で、子育てと勉強を両立させつつMBA生活を送っている。

中学1年時で早くも留年を経験し、人生の大きな転換点に。学生時代は度々英語スピーチコンテストで賞を獲得

Q. 子供の頃、両親はどんな人だった?

A. 父親は共産党員、軍事医として長い間軍隊で勤めていた。退役後は国営病院を経営するポジションに就いた。母親は中国語の教師だった。両親ともに普段は教育、しつけは厳しくなかったが、私が小学校では遊んでばかりであまり勉強せず、中学に入っても勉強に集中していなかったので、母親が教師と相談し、私を2年生に進級させず、1年生をもう一度させることに決めた。私はとてもショックで、同級生に対しても恥ずかしかったが、この時から勉強に一気に集中するようになり、その後はずっと成績はトップクラスだった。これは人生の大きな転換点だった。それと、両親は医者や教師として勤めた経験から人に対する思いやりや責任感が強く、私の個性によい影響を与えてくれている。

Q. 学生時代はどんな生活だった?

A. 前述の中学1年時で出会った人生の転換点から、中学、高校ではよく勉強した。特に英語が好きで、よく英語のスピーチコンテストに出場し、多くの賞を取った。これは小学校の時にコーラス部に入って歌を歌うのが大好きで、人前で披露するのが得意だったことも影響していると思う。大学は中国語と英語をさらに深く勉強したかったので、北京第二外国語学院に進学し、国際コミュニケーション学を専攻した。中国語クラスは中国文化、文学、歴史など、英語クラスは総合英語で幅広い教養を勉強した。大学でも引き続き英語スピーチコンテストに度々出場し、学内コンテストで2番の賞を取ったときはとても嬉しかった。

得意の英語とコミュニケーションスキルを活かし、外資系企業のマーケッターに。ただし、外資系企業の昇進基準に不満を抱き、MBAで人生ひと休み

Q. これまでのキャリアは?

A. 英語でのコミュニケーションが得意だったので、マーケティングが自分に合っていると思い、大学卒業後、中国系ソフトウェア企業Beyondsoft社でマーケティング担当として働き始めた。1年後、もっと英語を活かしてマーケティングをやりたいと思い、米系大手ソフウェア企業Sybase Software社にPRスペシャリストとして転職した。ここでPRに関わる仕事をひと通り経験できたのは良かったが、PRエージェンシーに頼ることも多く、主体的にビジネスを回せていたとは言いがたい。社員はとても優れており、いい人が多かったので、不満に思いつつも4年間も働いた。ちょっと後悔。その後、米系半導体ソフトウェア企業ALTERA社でシニアマーケティングコミュニケーションスペシャリストとして働いた。ALTERA社は世界中でビジネスを展開しており、マーケティング担当として常に海外オフィスと連絡を取りながら仕事をし、グローバルな環境の中、得意の英語とマーケティングをフルに活かせ、とてもやりがいがあった。ここでも約4年間働き、多くの経験が蓄積でき、満足している。

Q. なぜ長江商学院MBAを選んだの?

A. Sybase社やALTERA社でも同じことが言えるが、外資系企業の場合、どうしてもキャリアに天井が見え、かつ、昇進の尺度が不明確で、昇進に関して不満があった。それと、2009年に子供が生まれ、大学卒業後9年間働き続けひと休みしたかったので、MBAで人生の休息を取りつつ、新たな道を探そうと思い、ビジネスでは有名な長江商学院MBAに入学した。

Q. 卒業後の進路は?

A. 卒業後は、マーケティング部門のマネジャーポジションにまずは就きたい。遠い将来は子ども教育のビジネスを自分でやりたい。具体的にはこれまでも英語が得意だったので、小学入学前の子どもに対する英語教育に力を注ぎたいと考えている。



Akinori Ouchi

投稿者について

Akinori Ouchi: 現在、日系事業会社の香港を拠点に中国関連の事業投資に従事、中華圏在住8年目。 1980年11月生まれ。大学在学中に日本の公認会計士試験(旧第二次試験)に合格。 大学卒業後、米系投資銀行でIPO引受/M&Aアドバイザリー、ネット系ベンチャーで事業開発を担当。 30代は「海外で活躍する」という夢を実現しようと、29歳のときアジアの時代に中国のトップビジネススクールである長江商学院に私費MBA留学。優秀なクラスメートたちに刺激され、卒業後は中国に残ることを決意。 留学や仕事で4年過ごした北京を離れ、2014年7月から香港へ移住。