第7回 長江商学院MBA Desmond(男性)28歳

(写真)北京で行われた東日本大震災チャリティイベントに参加してくれたクラスメイトたち。いち早く日本が復興できると彼らは信じてくれています。

<プロフィール>
1982年生まれの一人っ子、湖南省出身。地方企業に勤める両親のもと、比較的貧しい家庭に育つ。大学では珍しく中国農業大学で栄養学科を選択。母親の影響もあり、食品に興味があり、大学卒業後はカップ麺や飲料で有名な康師傅(カンシーフー)でプロダクトマネジャー、乳製品大手の中国蒙牛乳業でブランドマネジャー、アサツーディ・ケィ(北京支社)で広告マンを経験し、長江商学院MBA入学。クラスメイトをとても大事にし、元広告マンらしくとてもおしゃれなバーリンホー。

親から口酸っぱく言われたのは、「お金のために働くな。人を大切にし、社会に貢献せよ」

Q. 子供の頃、両親はどんな人だった?

A. 父親は印刷会社、母親は食品会社で働いていた。家庭環境は平均以下で、比較的貧しい家庭だったと思う。中国はここ10年、金持ちになることが大きなゴールと考えられているが、私の母親は「家族・人を大切にし、社会に貢献することが一番大切だ」と私によく言ってくれ、今の私の考え方に大きな影響を与えている。両親は私の教育に関しては厳しくはなかったが、独立心を持ち、責任感を持って生きるようによく言われた。

Q. 中学、高校、大学時代はどんな生活だった?

A. 中学、高校は数学が得意だったが、MBAの同級生と比べると成績はそれほどよくないと思う。田舎育ちだったので、大学はとにかく憧れの北京に行きたかった。当初は大学でエンジニアを専攻したかったが成績が届かず、結局、母親の影響で食品に興味があったので中国農業大学栄養学科を選んだ。全体で68名、男女比は1:1、ほとんどが北京以外出身で地方色豊かだった。大学でもよく勉強した。英語に関しては、同級生の多くが海外への留学を希望していたので、私も負けないようにしっかり勉強した。卒業後、女性の半分は大学院へ、男性の大半は就職、3人が大学院へ海外留学した。

若くしてブランドマネジャー、ADKで広告マンを経験。将来は急成長する中国食品市場で自らコンサルティング会社を設立するのが夢

Q. これまでのキャリアは?

A. 卒業後は、栄養学科で培った食品の知識を活かすべく、中国最大手の食品事業グループ康師傅(カンシーフー)(台湾企業)でアシスタントプロダクトマネジャー(北京担当)として働き始めた。ここの上司が素晴らしい人で多くのことを彼から学ぶことができた。上司の推薦で、その後、乳製品メーカー大手の中国蒙牛乳業にプロダクトマネジャーとして転職。あの頃の食品産業は中国の経済成長に伴い、急速に発展しておりどんどんマーケティング施策が功を奏し、とても楽しかった。蒙牛では中国全土をカバーでき、1年後にはブランドマネジャーに昇格。マーケティングの立案、予算の作成・実行とブランド全体のマネージができた。蒙牛は設立1997年で従業員が比較的若く、若手にどんどん仕事を任せてくれる元気のある企業だった。蒙牛在籍時に既に長江商学院MBAに入学が決まっていたが、入学までまだ1年あった。ちょうどその時、蒙牛の広告代理店だったADK(アサツーディ・ケィ)(北京支社)のジェネラルマネジャーから、MBAに入学するまでの間ADKで働いてみないかと誘いを受け、働くことに決めた。これまでのメーカーサイドからコンサルティング・サービスサイドへの転職はとてもよい経験になった。ADKは職場の雰囲気がよく、楽しく生き生きと仕事ができた。

Q. これまでのところ長江商学院MBAはどんな感じ?

A. とても満足している。最も貴重な財産は優秀なクラスメイトに尽きる。この家族的なつき合いが好きだ。将来は彼らと一緒に協力してビジネスを手がけていきたい。

Q. 卒業後の進路は?

A. 卒業後は、マッキンゼー、ボストンコンサルティングなどマネジメントコンサルティング会社でまずは働き、自分に箔をつけ、マネジメントに関するコンサルティング力をつけたいと考えている。なぜなら、将来は自分で会社を持ちたいと考えており、中国企業の大半を占める中小企業をターゲットに、コンサルティング、特に成長著しい食品関連やマーケティングのコンサルティングを手がけていきたいからだ。



Akinori Ouchi

投稿者について

Akinori Ouchi: 現在、総合金融グループの香港拠点で中華圏事業投資に従事。 1980年11月生まれ。大学在学中に日本の公認会計士試験(旧第二次試験)に合格。 大学卒業後、米系投資銀行でIPO引受/M&Aアドバイザリー、ネット系ベンチャーで事業開発を担当。 30代は「海外で活躍する」という夢を実現しようと、29歳のときアジアの時代に中国のトップビジネススクールである長江商学院に私費MBA留学。優秀なクラスメートたちに刺激され、卒業後は中国に残ることを決意。 留学や仕事で4年過ごした北京を離れ、2014年7月から香港へ移住。