(写真)インド人とスペイン人のクラスメイト。カメラを向けると笑顔で撮影に応じてくれました。インド人の彼の奥さんは中国人、スペイン人の彼の彼女は才色兼備の中国人。国際結婚、国際カップルが続々と誕生しています。
<プロフィール>
1976年、四川省成都市(近くの町)生まれ。武漢の大学の工学部卒業。大学院で修士号取得後、シンガポール国立大学で電気工学の博士号取得。日系企業、米国系企業でモバイル通信の3Gや4G、PCのハードディスクの研究開発に従事。急成長の中国でのビジネスチャンスを求めて、長江商学院MBAに入学。妻と子供2人(うち1人は妻のお腹の中。来月出産予定)をシンガポールに残し、単身中国に戻る。
医者や弁護士より社会的地位が高いエンジニアという仕事
Q. 両親はどんな人?
A. 両親はともに1つの国営製造業で退職まで働き続けた。伝統的な中国人だと思う。勉強やスポーツに関して親からの圧力は全くなく、これまでの人生はすべて自分の判断だった。
Q. 中学、高校時代はどんな人だった?
A. 中学生までは体が弱く、病気がちだったが、高校から一転、勉強にスポーツに目覚ましい成長を遂げた。高校時代、理系科目(数学、物理、化学など)が強く、特に数学は中国内1位の成績を獲得(年間で150名ほどが国内1位の成績を取ることができ、その中から50名は強化合宿参加、うち数名が数学オリンピックへ出場)、100メート陸上競技で100メートル11.2秒を記録し、18歳の時に国体選手に選抜された。
Q. なぜ大学でエンジニアの道へ?大学生活はどんなだった?
A. 理科系科目が得意だったからと、中国では医者や弁護士よりもエンジニアの方が社会的地位が高く、当時の中国も高度なエンジニアを求めていたから。それに、両親が勤めていた会社が製造業で、製造業の大切さを子供のころから理解していたと思う。
大学ではエリート向けのアドバンストクラスに選抜され(大学全学部から40名選抜)、数学、物理、コンピューターなどありとあらゆる学問を集中的に勉強することができた。このコースは中国でナンバーワンのエンジニアを育てる目的で設立され、事実、ここからノーベル賞受賞者やテクノロジー会社の有名な経営者などを輩出している。
Q. 博士号を取得するために、なぜシンガポールへ渡ったの?
A. シンガポール国立大学はアジアでナンバーワンの実力。また、シンガポールは中国の文化や思想が残っているし、中国人にとって過ごしやすい環境だったので選んだ(シンガポールは西洋と東洋が合わさった感じ。考え方は西洋で、文化や伝統は中国に近い。ロジカルでルールを守る人たち。宗教も自由で、みな熱心。私自身はクリスチャン)。3年間で電気工学の博士号を取得。
Q. 博士課程での研究内容は?
A. テレコミュニケーション。モバイル通信の3G、4Gのオペレーションの研究開発、簡単に言うと、ボイスや動画などのモバイルサービスのクオリティの向上のための研究開発をしていた。博士号取得後に就職したパナソニックの研究センターでもこの研究開発に従事した。その後転職したアメリカ系テクノロジー企業では、プロジェクトマネジャーとしてPCやモバイルのハードディスクの研究開発に従事した。
チャンスの波をつかまえにシンガポールから帰国。目指すのは世界で勝負する企業を生み出すベンチャーキャピタリスト
Q. なぜMBAを取得?なぜ中国に戻ってきたの?
A. 研究開発型の企業で働いているときに、PCやモバイルなどコンシューマー向けのサービス開発を担当していた影響から、ビジネス自体に興味をもつようになり、漠然とMBAでビジネスを学びたいと思うようになった。一度、会社に勤めながらベンチャービジネスに挑戦したが、うまくいかなかったのもビジネスを学びたいと思った理由の一つ。これらに加え、やはり今の急成長中の中国にはテクノロジー面から見ても山のようにビジネスチャンスが転がっており、これを逃さないためにも中国にいったん帰る必要があると感じていた。事実、多くのシリコンバレー出身のベンチャー経営者やアメリカで活躍していた中国人エンジニアが続々と中国に帰ってきており、ベンチャービジネスを起こしている。このビックチャンスを逃すわけにはいかない。
Q. 将来の方向性は?
A. 将来はベンチャービジネスのチャンスがあれば自ら挑戦したいが、今のところベンチャーキャピタリストとして、中国から世界で勝負できるテクノロジー企業をどんどん輩出させたいと願っている。私のベンチャーキャピタリストとしての強みは、高度な最新テクノロジーを評価できることだ。技術革新のスピードはものすごく速いが、博士号取得のおかげで、その技術のキャッチアップが素早くできる。それに、長江商学院MBAでは巨大な中国国内でのビジネスネットワークが築ける点が何よりも魅力だ。博士号、MBA、ビジネスネットワークなど私にしかないユニークさを組み合わせ、一流のベンチャーキャピタリストになり、中国が世界のテクノロジーをリードできるよう貢献していきたいと強く願っている。
第20回 長江商学院MBA Julia(女性)31歳
第19回 長江商学院MBA Flora(女性)30歳
第18回 長江商学院MBA Erica(女性)30歳
第17回 長江商学院MBA Li(女性)26歳
第16回 長江商学院MBA Conan(男性)29歳
第15回 長江商学院MBA Judy(女性)27歳
第14回 長江商学院MBA Gerry(男性)27歳
第13回 長江商学院MBA Sasha(女性)27歳
第12回 長江商学院MBA Sophie(女性)34歳
第11回 長江商学院MBA Tony(男性)27歳
第10回 長江商学院MBA Penny(女性)31歳
第9回 長江商学院MBA Robert(男性)30歳
第8回 長江商学院MBA Audrey(女性)32歳
第7回 長江商学院MBA Desmond(男性)28歳
第6回 長江商学院MBA James(男性)27歳
第5回 長江商学院MBA Coco(女性)28歳
第4回 長江商学院MBA Frank(男性)31歳
第2回 長江商学院MBA Cindy(女性)28歳
第1回 長江商学院MBA Spider(男性)29歳
Akinori Ouchi: 現在、日系事業会社の香港を拠点に中国関連の事業投資に従事、中華圏在住8年目。 1980年11月生まれ。大学在学中に日本の公認会計士試験(旧第二次試験)に合格。 大学卒業後、米系投資銀行でIPO引受/M&Aアドバイザリー、ネット系ベンチャーで事業開発を担当。 30代は「海外で活躍する」という夢を実現しようと、29歳のときアジアの時代に中国のトップビジネススクールである長江商学院に私費MBA留学。優秀なクラスメートたちに刺激され、卒業後は中国に残ることを決意。 留学や仕事で4年過ごした北京を離れ、2014年7月から香港へ移住。