(写真)万里の長城近くの鉄道路線で一休みするConan。山登りが大好きです
<プロフィール>
1982年生まれの一人っ子、四川省自貢出身。両親はメーカー勤務でごく普通の家庭に育つ。6歳の頃から母の薦めで読書を始め、学ぶことが大好きになる。学生時代、成績は常にトップ、高校時代に英語クラブを仲間と立ち上げ、総勢100名を束ねる副代表を経験。大学は北京大学で化学を専攻。大学時代はロッククライミングに没頭する。大学卒業後、P&Gに就職し、R&Dマネジャーとして消費者調査や製品デザインの仕事に5年間従事。MBAを通して、消費材ビジネスから環境ビジネスへキャリアチェンジを図る。長江商学院MBAでは、エネルギー・環境クラブの代表を務める。
読書が秀才への第一歩。北京大学時代はロッククライミングに夢中になる
Q. 子供の頃、両親はどんな人だった?
A.両親ともにメーカー勤務で、私が小さい頃は製品の品質保証を担当していた。1990年代半ば以降、中国の経済政策が計画経済から自由経済へと大きく変化し始め、国が抱えきれなくなった国営企業の多くは、国の管理から離れ、証券取引所に上場したり、他社に買収されたりして、急速に合理化が進められた。父のメーカーも一時経営難に陥ったが、1997年に上海証券取引所に上場して、2000年以降は業績が上向き始め、父はこの会社を勤め上げた。母のメーカーは倒産に至り、母はその後様々な職業を経験し、最後は地元の自治体のリーダーとして地域のために仕事をしていた。なので、決して恵まれた家庭ではなかった。普通の家庭ながらも、両親は私の教育に投資は惜しまず、いつも私の意思を尊重してくれた。教育やしつけに関して特にうるさく言われたことはない。学校の成績が小学校の頃から常にトップだったのも、親を安心させた要因かもしれない。
Q. 学生時代はどんな生活だった?
A.6歳の頃、両親が私を図書館に連れて行ってくれ、そこで様々な本を読み始め、夏休みや冬休みは図書館にこもってずっと本を読んでいた。学校の成績がこれまでいつもトップだったのは、小さい頃に読書の習慣がつき、学ぶことが大好きになったからだと思う。中学・高校の頃は数学や化学のオリンピック大会のために必死に勉強したのを覚えている。
高校2年生の時に英語を勉強するクラブを友人と立ち上げ、副代表として活動した。新聞、ニュース番組、映画などを題材にメンバーと楽しみながら勉強した。メンバーは約100人まで増加し、チームでクラブを運営したり、勉強する楽しさや苦労を学ぶことができたのはとてもいい経験になった。私の高校は比較的オープンカルチャーでこうしたクラブ活動に対しても寛容で、みな生き生きと高校生活を送っていた。一般的に、中国の高校は生徒を勉強だけに専念させ、勉強以外のクラブ活動などはさせないのが普通だ。
大学は北京大学に進学し、化学を専攻。化学は常に高校で1番だったので、大好きな科目だ。当時(2001年)、四川省全体から北京大学と清華大学にそれぞれ50名弱進学することができ、私の学校からは600名中、私を含め4名が北京大学に進学した。北京大学時代は、もちろん大好きな化学を必死に勉強したが、勉強以外では、大好きな山登りとロッククライミングに多くの時間を費やした。1年生から山登りクラブに入部し、週2回、50人ほどのメンバーで北京西部の山に出掛け、仲間と楽しい時間を過ごした。私の学部の3分の1は米国へ修士号と博士号を取得へ、3分の1は国内の大学院や中国科学院で科学者への道を選んだ。私は3年生の時に科学者になるより、ビジネスサイドの方が向いていると思い、米国への留学を辞め、卒業後は会社で働くことに決めた。化学を専攻していたので、化学製品を多く取り扱うP&Gに就職することに決めた。
P&GでR&Dマネジャーとして成長著しい消費財ビジネスに従事。MBA後は、中国が抱える環境問題を解決する環境ビジネスに挑戦
Q. これまでのキャリアは?
A.P&GでシニアR&Dマネジャーとして5年間働いた。主な仕事は、マーケティング部とR&D部を繋ぐ仕事、消費者調査や製品デザインを担当した。具体的には、ある商品のブランド差別化戦略の構築、製造ライン拡張のための予備調査と実行計画策定、消費者への定量及び定性インタビュー、それに続く製品開発計画への落とし込み、東南アジアへの市場参入計画などだ。P&Gで消費財ビジネスに5年間従事し、成長著しく面白い分野ではあるが、興味としては中国が抱える環境問題を解決するビジネスに移っていった。ビジネススクールを通して、消費財ビジネスから環境ビジネスにキャリアチェンジしようと考えた。
Q. なぜ長江商学院MBAを選んだの?
A.将来は中国でビジネスをやりたいし、長江商学院の起業家のネットワークは中国で最強なので、このネットワークに入るべく、ここのMBAを選んだ。当初より米国は考えておらず、また、北京大学を卒業したので、北京大学が持つネットワークは既に持っており、北京大学のMBAには興味はなかった。
Q. 卒業後の進路は?
A.クリーンテック企業など環境ビジネスに特化した企業で働きたい。そして、10年以内に起業して、自分の会社を持ちたい。人生を楽しみつつ、社会に貢献した人生を送っていきたい。
第20回 長江商学院MBA Julia(女性)31歳
第19回 長江商学院MBA Flora(女性)30歳
第18回 長江商学院MBA Erica(女性)30歳
第17回 長江商学院MBA Li(女性)26歳
第15回 長江商学院MBA Judy(女性)27歳
第14回 長江商学院MBA Gerry(男性)27歳
第13回 長江商学院MBA Sasha(女性)27歳
第12回 長江商学院MBA Sophie(女性)34歳
第11回 長江商学院MBA Tony(男性)27歳
第10回 長江商学院MBA Penny(女性)31歳
第9回 長江商学院MBA Robert(男性)30歳
第8回 長江商学院MBA Audrey(女性)32歳
第7回 長江商学院MBA Desmond(男性)28歳
第6回 長江商学院MBA James(男性)27歳
第5回 長江商学院MBA Coco(女性)28歳
第4回 長江商学院MBA Frank(男性)31歳
第3回 長江商学院MBA Jason(男性)34歳
第2回 長江商学院MBA Cindy(女性)28歳
第1回 長江商学院MBA Spider(男性)29歳
Akinori Ouchi: 現在、日系事業会社の香港を拠点に中国関連の事業投資に従事、中華圏在住8年目。 1980年11月生まれ。大学在学中に日本の公認会計士試験(旧第二次試験)に合格。 大学卒業後、米系投資銀行でIPO引受/M&Aアドバイザリー、ネット系ベンチャーで事業開発を担当。 30代は「海外で活躍する」という夢を実現しようと、29歳のときアジアの時代に中国のトップビジネススクールである長江商学院に私費MBA留学。優秀なクラスメートたちに刺激され、卒業後は中国に残ることを決意。 留学や仕事で4年過ごした北京を離れ、2014年7月から香港へ移住。