Q. 子供の頃、両親はどんな人だった?
A.父親は医者で、大学卒業後30年以上医者を続けている。母親は中学校で数学の先生をしていた。両親ともにしつけや教育には厳しく、帰宅時間やテレビを見る時間はいつも制限されていたし、本をたくさん読むように薦められた。自然と読書が趣味になった。一方、これまで学校の選択やキャリアの選択は自分の判断で、親はいつも応援してくれた。
Q. 学生時代はどんな生活だった?
A.中学時代はもちろんよく勉強したが、陸上部に入り、短距離、中距離両方の選手として頑張った。おかげで、100メートル走、1500メートル走の2種目で校内1位をとった。一転、高校時代は地獄のような勉強生活。毎日毎日勉強漬けで、ちょっと退屈だった。高校は地元の普通科でそれほどレベルは高くなく、常にトップ3以内の成績。高校でも陸上を続け、心身ともに鍛えた。私は理系で、数学、物理、化学が好きだったので、大学は北京交通大学の工学部電気工学科に入学した。大学時代は、3分の1は勉強に、3分の1は陸上に、3分の1は恋愛に使ったかなぁ。大学2年生の時に初めて1つ年上の彼氏ができ、それからは楽しい大学時代に変わった。彼とは今もつき合っており、近々結婚する予定。私の人生で最初で最後の彼だ。大学卒業後は北京理工大学大学院に入学し、オートメーションを専門とした。オートメーションは学部時の電気工学と同じ専門だ。
IT・通信分野の一流中国企業で着実に経験を積む。卒業後はVCなど小さな企業で自分の力をフルに活かしたい
Q. これまでのキャリアは?
A.大学院卒業後は華為(ファーウエイ)技術に入社、エンジニアではなく、マーケティング職に近い製品のプレセールスを担当した。私の工学の専門性から製品技術を理解しつつ各市場に投入する戦略を構築し、それを実行する部隊だ。ファーウエイで2年2か月勤務後、チャイナ・ユニコムに転職し、ネットワーク機器のマーケティングやソリューションビジネスを担当した。顧客は欧米の大手企業が多く、例えば、イーベイ、アウディ、アンハイザー・ブッシュ・インベブなどだ。AT&Tやブリティッシュ・テレコムなど欧米の通信メーカーと組み、部下を8名率い、国内外の大手企業にネットワークやITソリューションを提供していた。チャイナ・ユニコムに3年8か月勤務したが、自分に足りないマネジメントやファイナンスの知識を得るためにMBAに入学することに決めた。
Q. なぜ長江商学院MBAを選んだの?
A.長江は中国では有名で、1年MBA、60人という少人数なところが良かった。清華や北京大のカルチャーは私には合わないし、2年のMBAは長いと感じた。
Q. 卒業後の進路は?
A.これまでは大企業で勤めてきたので、次は小さな会社で自分でビジネスをリードしていきたいと考えている。現在あるVC(ベンチャーキャピタル)でインターンしており、VCはこれまでの仕事経験と長江のMBAの知識が活かせる場としてはとても良いと思う。5年以内にはバイスプレジデントレベルまでは昇進したい。
Akinori Ouchi: 現在、日系事業会社の香港を拠点に中国関連の事業投資に従事、中華圏在住8年目。 1980年11月生まれ。大学在学中に日本の公認会計士試験(旧第二次試験)に合格。 大学卒業後、米系投資銀行でIPO引受/M&Aアドバイザリー、ネット系ベンチャーで事業開発を担当。 30代は「海外で活躍する」という夢を実現しようと、29歳のときアジアの時代に中国のトップビジネススクールである長江商学院に私費MBA留学。優秀なクラスメートたちに刺激され、卒業後は中国に残ることを決意。 留学や仕事で4年過ごした北京を離れ、2014年7月から香港へ移住。