(写真)トップクラスの成績を誇り、発言力も抜群のGerry。ヘビーMacユーザーの一面も。初めての米国に内心は期待と不安でドキドキしています。
<プロフィール>
1983年生まれの一人っ子、広州出身。両親は大学の教師。小学校の頃から、ピアノと水泳を習い始め、どちらも10年間以上続ける。水泳は大学時に広東省大会で2位を獲得。高校時代は化学が大好き、広東工業大学では化学に関係したマクロ分子工学を専攻。卒業後は、世界4大監査法人であるデロイトに2年間勤務し、監査やM&Aなどのアドバイザリー業務、その後、ATM製造で国内2位の広州御銀科技股份有限公司で投資やIR関係業務を手掛ける。次は投資銀行家にステップアップしたく、ファイナンスを鍛えるために長江商学院MBAに入学。8月から米国コーネル大学に交換留学。
学生時代は勉強はほどほどにして、ピアノと水泳に熱中。水泳は大学時、広東省大会2位を獲得
Q. 子供の頃、両親はどんな人だった?
A.両親ともに大学の教師で、父親は数学、母親は機械工学を教えていた。しつけは厳しくなかったが、自分を律することの大切さを学んだ。例えば、小学生から水泳とピアノを習い始め、10年間以上続けられたのは自分を律することができたからだと思う。そして、両親が教師だったので、勉強の仕方、時間の過ごし方、計画の立て方など様々な生きる術を両親から教えてもらった。両親にはとても感謝している。
Q. 学生時代はどんな生活だった?
A.母親の薦めで小学校の時からピアノを習い始め、高校を卒業するまで10年間以上続けた。ピアノが大好きで、弾いているととても楽しい気持ちになれる。私は約40名のオーケストラの中でピアノを担当していた。指揮者が全体をまとめ上げ、調和していく過程は本当に楽しい。ピアノを通して協調性の重要性を学べた。勉強はほどほどにして学校で上位20%内で、北京大学などトップスクールにはそれほど関心はなかった。勉強のために自分を犠牲にするのは嫌で、趣味や遊びとのバランスを重視してきた。水泳も小学校から大学卒業まで10年間以上続けた。大学でも毎日欠かさず練習し、大学3年時に広東省大会でシルバーメダルを獲得できたときは本当に嬉しかった。何事も好きでないと続けられないし、好きであることが最も重要だと思う。好き、固執、集中、効率などが、私が何かをするときに大事にしている要素だ。高校の時は化学が大好きで、化学だけは成績はいつも一番だった。大学は広東工業大学で、化学に関係しているマクロ分子工学(Macromolecular Engineering)を専攻した。プラスティック、ポリマーなど物質・材料の応用に関する研究がテーマだ。ただ、2年生の終わりごろからこの研究に対する興味が徐々になくなってきて、経済系の科目に関心が移り始め、経済学部の授業を多く受講するようになった。3年時にベンチャーキャピタルでインターンシップを経験し、4年時に世界4大監査法人のひとつであるデロイト(Deloitte)から内定をもらった。私は理系で金融が専攻でもないのに難関のデロイトから内定をもらえたのは、水泳で大きな賞を獲得したり、単位が出ないにもかかわらず経済系の科目を受講して、積極的に勉強してきた熱意があったからだと思う。
理系ながらもビック4の監査法人に勤め、ファイナンスを専門とする。将来は、中国国内で米国人に負けない投資銀行家を目指す!
Q. これまでのキャリアは?
A.デロイトには2年間在籍したが、多くのことを学べた。金融専攻ではなかったので、金融、会計、監査など専門知識を深く学べたし、プロフェッショナルマインドや激務にも耐えうる根性や忍耐を身に付けることができた。その後、監査よりも事業会社でのビジネスに興味が移り、国内2位のATM製造会社の広州御銀科技股份有限公司(Guangzhou KingTeller Technology)の証券開発部に転職した。他社との提携・出資やIRなど上場周りの仕事を主に担当した。ここに在籍した2年間は、仕事は充実し、上司からも信頼されていたが、自分の目標とする場所ではないと感じていた。もっとグローバルに、プロフェッショナルに、効率よく仕事がしたくなった。具体的には投資銀行で働いてみたくなり、そのためには私の大学時代の専攻やこれまでの職務経験では不足している能力を高める必要があり、MBAを取ることに決めた。
Q. なぜ長江商学院MBAを選んだの?MBA生活はどう?
A.ファイナンスが強いことに尽きる。世界中の有名大学MBAで教えている中国人教授が授業をもっており、投資銀行で働くのに十分な知識を得ることができる。8月から5ヵ月間、米国コーネル大学に交換留学するので、長江で履修できる授業はすべて終わったが、教授やクラスメイトの質の高さ、ここで学べたことは本当に満足している。
Q. 卒業後の進路は?
A.ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなどグローバル投資銀行で働いてみたいが、国内トップの投資銀行であるCICCやCITICでも十分に満足だ。実際、ここ中国の金融業界は政府の規制が厳しく、外資系投資銀行に不利なビジネス環境であるし、上海証券取引所がグローバル化されれば、もっと国内系投資銀行にチャンスがやってくるはず。中国人は頭脳や根性などファンダメンタルの面でアメリカ人に負けていないし、十分に勝負できると思っている。
Akinori Ouchi: 現在、日系事業会社の香港を拠点に中国関連の事業投資に従事、中華圏在住8年目。 1980年11月生まれ。大学在学中に日本の公認会計士試験(旧第二次試験)に合格。 大学卒業後、米系投資銀行でIPO引受/M&Aアドバイザリー、ネット系ベンチャーで事業開発を担当。 30代は「海外で活躍する」という夢を実現しようと、29歳のときアジアの時代に中国のトップビジネススクールである長江商学院に私費MBA留学。優秀なクラスメートたちに刺激され、卒業後は中国に残ることを決意。 留学や仕事で4年過ごした北京を離れ、2014年7月から香港へ移住。