第四回『Communication Breakdown』

2016年8月23日 / Let it Beijing



(写真)北京の最初の食事は羊の串焼き


KZさんのスケジュールの都合で7月中は難しいとのことだったため、まずは台湾への視察に行くことに決めました。
台湾の片道切符のバックパッカー状態の珍道中も後日まとめて書ければいいと思っていますが、10日程経過した頃にKさんから「○○日~なら大丈夫ですが、来ますか?」という連絡が来ました。



もちろんその日のうちに帰国の航空券を取得して翌日には日本に戻り、中国行きのチケットを購入しました。
一週間の滞在期間中はKZさん宅に泊めていただくことになりました。



酔いながら隣で20~30分程話した人の家に泊まる、まして海外で一週間というのは警戒心が無いのかもしれません。
しかしIさんに紹介していただいたことはもちろん、東京でお会いした印象なのか不思議と不安はありませんでした。



飛行機に乗り込む前にお土産…ということでジョニーウォーカーの青ラベルを購入しました。
今考えてみると最高のチョイスしたが、当時は中国ではウイスキーが日本の2倍~3倍の価格も当たり前だということはもちろん知りませんでした。



それと日本っぽいものがいいと思ったので、菓匠 菊家でお菓子を買っていきました。個人的にこのお店が大好きで、少し洒落たものを持っていきたいときに使っています。



無事に中国に着くと入境審査などを進んでいき、タクシー乗り場に向かいました。
向かう途中清掃員にカタコトの英語で道を尋ねても通じないことに驚きながら、ジェスチャーで(車を運転する仕草をして)伝えたのを覚えています。



当時は日本の携帯電話しか持っていませんでしたが、タクシー乗り場で海外ローミング機能を使ってKZさんに電話をかけることができました。Kさんに運転手さんと話してもらうことで無事にKZさんの住むマンションまでたどり着くことが出来ました。



マンションの中に入ろうとすると、管理人のおばさんが何やら話しかけてきました。
表情を見る限り怒っているわけでもなさそうなので、思いついたままにノートに漢字を書いていきました。



「日本人」「友人」「住」「家」「旅行中」…など合っているかもわからずに書いたのですが、だいたい伝わったようで安心しました。



これをきっかけにおばさんと日に日に仲良くなっていくのですが、私にとって中国に来て最初の友人です。(今でも仲良しです)
この体験をしたことで根気よくわかってもらえるまで書けば、ある程度のコミュニケーションがとれるということを実感しました。
最初の頃は文字だけでなく絵を描いてみたり、矢印のような記号を使ってみたり、ありとあらゆる方法を使って意思疎通をしていました。



そんなことをしているうちに「やぁ、よく来たね」そういってKZさんが迎えてくれました。
他愛のない会話をしながらKさんの住むマンションのエレベーターを上っていきました。
「今ちょうど奥さんがいるから…」と言いながら、KZさんは鍵を開けてくれました。


Mine Kawahara

投稿者について

Mine Kawahara: 河原嶺旭(かわはら みねあき) 1988年10月18日生まれ。 神奈川県横浜市出身。 17歳から音楽を始め、20歳でテレビドラマ「メイド刑事」挿入歌で作曲家デビュー。2011年にAKB48に提供した『風は吹いている』が160万枚を越えるヒットとなり『アイドルと同世代の作曲家』として注目を集め、同年の年間作曲家売上第三位を獲得。アニメ・ゲーム関係の仕事も数多く手がけており、雑誌のコラムの執筆や教育関係など仕事の幅は多岐にわたる。2013年より、北京・上海を中心に活動している。