第十六回『SING LIKE TALKING』

2016年8月26日 / Let it Beijing



(写真)映像スタジオのエントランス


挿入歌が無事に終わり、主題歌の制作が始まりました。
基本的にはほぼ1発OKだったのですが、「2種類作りたい」と言われたり、「3種類作りたい」に変わったり、コロコロ変わるので大変だったりします。
結局1種類だけ使われたそうですけどね、個人的にはお蔵入りのロックバージョンが好きだったんだけれども。。。

レコーディングの現場にも行くのですが、当然本人が歌うので現場には超有名人が来ます。が、正直無知な自分は「ぽかーん」としていました。
日本にいた頃もアイドルや声優さんと現場で会う機会があっても正直関心がなかったので似たようなものではあるのですが、後日友人に話すと「羨ましい」「一緒に撮った写真とかないの?」なんて言われるのは日本も中国も変わらないですね。

中国では歌録音の際に指示を出す人(ヴォーカルディレクションと日本では言います)のギャラが作曲家より高い場合があるくらい歌にこだわるのですが、音楽ディレクターの吴さんはかなり耳がよく指示も的確でかなりレベルが高かったですね。
歌唱力も含めて歌関連に関しては中国のほうが圧倒的に日本よりもこだわりを持っていて技術的にも高いように感じました。

もちろん街中の人みんなが上手いというわけではないですよ、人口が多いのでその分才能のある人はいくらでもいるということです。ただ中国語は音程があるので、そういった部分は歌唱力にも関係あるのかもしれませんね。

そして、この作品の私が携わる制作が終わったと思った矢先にもう一つお願いをされました。

「中国のミュージシャンと一緒にこの作品の劇伴をやってほしい」

私は「また日程とか無茶だらけなんだろうなぁ〜…」と、予感を感じながらもOKと即答しました。



Mine Kawahara

投稿者について

Mine Kawahara: 河原嶺旭(かわはら みねあき) 1988年10月18日生まれ。 神奈川県横浜市出身。 17歳から音楽を始め、20歳でテレビドラマ「メイド刑事」挿入歌で作曲家デビュー。2011年にAKB48に提供した『風は吹いている』が160万枚を越えるヒットとなり『アイドルと同世代の作曲家』として注目を集め、同年の年間作曲家売上第三位を獲得。アニメ・ゲーム関係の仕事も数多く手がけており、雑誌のコラムの執筆や教育関係など仕事の幅は多岐にわたる。2013年より、北京・上海を中心に活動している。