第七回『25 or 6 to 4(長い夜)』

2016年8月23日 / Let it Beijing



(写真)前海の夜景


中国に来て初めて食べる餃子。
ということで中国のお約束ではありますが、蒸し餃子をいただきました。焼き餃子以外の餃子を食べるのは久しぶりでしたが、とても美味しかったです。

当時は中国語は全く話せなかったのでKZさんとGoさんに通訳してもらいながら中国人の女の子達ともお話をしていました。
ここでGoさんと出会ったことがBillion Beatsで記事を書く大きなきっかけになっていますが、これも何か強い縁を感じています。
(もちろんまだこの頃は北京に住むという考えは持っていませんでした。)

中国人の女の子達はミュージシャンらしい派手な雰囲気を持っていて、

派手な金髪の子は香港のスター歌手のバック演奏などもしているの若手ギタリストでかなり売れっ子なようでした。
パーマのかかった黒髪とタトゥーが印象的な少女はドラマーで、北京で主に活動をしているようでした。

彼女達と他愛のない話をしている中で時々「ワンピース読んでる?」というような話が出るたびに、日本のコンテンツのパワーを感じました。

食事が終わると后海にある「东岸酒吧」というライブ•バーに向かいました。
その日は海外のジャズミュージシャンが演奏するということで、ライブにはまだ少し早過ぎる時間にも関わらず満席に近い状態でした。

小さなライブ•バーなので期待はしていなかったのですが、演奏のレベルも非常に良かったのを覚えています。
ドラムは日本人ドラマーで長く中国で活躍をしているコガ•イズミ氏で、軽快なビートを叩いていました。
私自身はコガ氏と直接の面識は無いのですが、来る直前に恩師が「中国で長年活動している音楽家」として名前を挙げていました。
まさかこの旅行で演奏を聞けるとは思っていなかったので、妙な偶然もあるものだな…と思いました。

ライブが始まると会場は盛り上がり、オシャレなJAZZが始まりました。
ドラム、ベース、ピアノ、そしてメインの黒人トランペッターという編成で、割とモダンなジャズを演奏していきました。
どんどんお酒が進んでいき、私は知らないうちに床に眠りこけてしまいました。
そのまま気持ちよく床で寝ていると、気づけば1~2時間程経っていてライブが終わっていました。

北京に来るまでは治安の面など少し心配していた部分もあったのですが、酔いつぶれている自分を放置しておけるくらいの環境に「日本と大して変わらないくらい治安がいいなぁ…」と感じたのを覚えています。

3日目はKZさんが同じくスタジオで仕事があるというので、私は近所にある798芸術区でアートの鑑賞をしていました。
そして、マンションに戻って「明日北京にいる日本人の団体の集まりがあるけれど、来る?」と聞かれたのですが、「ワイナリーで開催する」という一言に思わず即決しました。

今にして思えば旅行中の人間が現地の日本人コミュニティーの会合に出るというのは場違いな気もするのですが、人生初のワイナリー見学&美味しい食事を楽しもう…とかなり気楽な気持ちで決めてしまいました。

もしこのワイナリーに行かなかったら、隣に座った人が違っていたら、私がAKB48に楽曲を提供していなかったら…etc。私は北京に住んでいなかったかもしれません。


Mine Kawahara

投稿者について

Mine Kawahara: 河原嶺旭(かわはら みねあき) 1988年10月18日生まれ。 神奈川県横浜市出身。 17歳から音楽を始め、20歳でテレビドラマ「メイド刑事」挿入歌で作曲家デビュー。2011年にAKB48に提供した『風は吹いている』が160万枚を越えるヒットとなり『アイドルと同世代の作曲家』として注目を集め、同年の年間作曲家売上第三位を獲得。アニメ・ゲーム関係の仕事も数多く手がけており、雑誌のコラムの執筆や教育関係など仕事の幅は多岐にわたる。2013年より、北京・上海を中心に活動している。